mmma さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
本気だったら「キムチでもいい?」でいいはずがない
かわいい女の子たちとの恋のドタバタが繰り広げられるコメディ。その範疇に限って言えば、キャラデザイン、作画、声優の演技、どれも非常に高いレベルにあって、安心して楽しめるものになっていると思う。この作品はあくまで「安心して楽しめる上質なコメディ」を目指して作られているのだろうし、そこに不満はない。
あの海辺で、小咲が楽を想う気持ちで胸をいっぱいにして、思わず本音を漏らす場面で、肝心の楽が不自然に居眠りしたり、そこに居合わせた千棘が不自然な聞き間違いをしたりしたことも、「これが作者の意図なんだな」「これはあくまでコメディなんだから」と納得することにした。
でも、あの時、楽とふたりで楽しく話をすることができて、それが他愛のない内容であったとしても、小咲がどれほど嬉しかったか。引っ込み思案で、いつもなかなか積極的になれない小咲が思わず「キスしてもいい?」とひと言漏らす、その言葉の裏でどれほど大きな気持ちを抱いていたか。それを思うと、あの場面で楽は決して居眠りするべきではなかったし、千棘は決して聞き間違いをするべきではなかった。
この作品を駄作と断じる向きがあっても決しておかしくはない。居眠りや聞き間違いでお茶を濁したりすることなく、その後の物語を正面から描き切ろうとする覚悟があったなら、より強い印象を残す作品になったかもしれない。
このアニメ(原作では6巻まで)に対してはこういう感想です。
原作はその後も長く続く。
楽の持つ錠を開けることのできる鍵はどれなのか、千棘•小咲•万里花のうち誰が約束の相手なのか、という点はアニメ第2期でも解決されないまま。