まつまつ さんの感想・評価
4.3
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
正義のヒーロとはなんなのだろう
1期2期通しての感想。
作画は流石ufotable。
バトルシーンを始め全てにおいてクォリティーが高く、梶浦由紀さんの曲も世界観にとても合っている。
仮に内容が薄かったとしても作画と音楽の力で十分誤魔化しが利く。
鬼滅の刃もコミックの力だけではここまでのヒットは無かっただろう。
アニメーションの技術は申し分が無い。
内容の感想としては正直、マスター達が命を懸けてまで聖杯戦争に参加する理由としては乏しいと思った。
FateZeroはマスター達が不純な理由もあるとは言え、聖杯を手に入れたい事情というのが其々に割と明確にあったと思う。
しかし今作についてはただ魔術師の家系であったり、成り行きでの様な感じで聖杯戦争に参加しているだけで、聖杯を手に入れて具体的な願いを叶えたいという野望を持ったマスターがほぼ存在しない。
なのでそんな事情で命賭けちゃっていいの?と感じてしまった。
士郎も後半は目覚ましい成長を遂げたが、力が無いのに正義感ばかりが強いキャラクターは結局敵を倒す事も出来ず、自分も助けたい相手も救えずにしまいには他の人物の足も引っ張るので個人的には好きでは無い。
アーチャーやギルガメッシュが「偽善」と言いたくなるのも良く分かる。
しかし、現実では士郎程では無くとも彼のような気持ちを持ちたいと思う人は大勢いる。
目の前で行われる悪や理不尽に対して立ち向かいたくても力が無いのでそれが出来ずに見過ごすしか出来ない人間だらけだ。
だからみんなヒーローに憧れる。
切嗣もヒーローになるのを諦めてしまった。
誰かを助ける事は誰かを傷付ける、皆が幸せになる事って有り得ないって現実にいつか気付いてしまうんだよなぁ・・・
あと疑問としては死んだはずのアーチャーが何故最後生きていたのか、
言峰は心臓動いていない筈なのに刺されたら死ぬのね・・・とか
謎が残る。
そして、士郎と凛が来るのを楽しみにまっていたイリヤ。
命を落とすのは2人と話してからにして欲しかった・・・
むごすぎて泣ける。
でも奈須きのこ作品は「空の境界」も世界観が哲学的で完全に理解するのが本当に難しい。
どんな頭があればこんな壮大なストーリーを描けるのか凡人には理解不能。
色々描いたが、個々のキャラクターが其々魅力的で面白い作品だった。
この作品視聴後にスピンオフの「衛宮さんちの今日のごはん」を視聴すると争っていたマスターとサーヴァント達が仲良く生活していて心癒されるので個人的にオススメ。