ニワカオヤジ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
目のクマ
【全体として】
原作既読。
物語としては原作の第一部をほぼ忠実に、丁寧に再現しています。原作が面白いので、本作も文句なしに名作です。
原作との違いは、映画のような演出と映像のクオリティ。
猫のラストシーンとか本当に綺麗で、原作のおどろおどろしい雰囲気とは全く正反対でした。
【設定】
名作っぽい雰囲気の作品ではありますが、魔法・魔術の法則や、怪異の者達の性質などはイマイチ分かり辛く、矛盾していると感じられることがあり、納得いかないところもあります。漫画の方を何度か通読しても、結局スレイベガのことすらよく理解できません。
本作のような怪異や魔法を題材としたファンタジー作品がSFと決定的に違うところは、SFなら、トンデモ理論があるとしても科学的考証が多かれ少なかれなされていますが、ファンタジーは作者の中の設定が絶対的に正しいところです。
なので設定についてあれこれ考察するのは無意味で、不思議な世界観に包まれた登場人物達の優しい雰囲気を、綺麗な映像とともに心地よく味わえば良い作品だと思います。
【OP・ED曲】
1クール目のED「環-cylcle-」が最も英国らしく名曲だと思います。あえてフルートじゃなく、ピッチと音量が不安定なリコーダーを使用しているのが良いですね。メロディも単純でAメロとサビしかないけど、印象に残ります。
リコーダーの合奏といえばLed Zeppelinの「天国への階段」ですが、ツェッペリンもイギリスだし、意識して作ったのかもしれません。
なお、作曲者の吉良知彦氏は2016年に亡くなられており、本作は死後にリリースされた今のところ唯一の作品です。
【チセの目】
原作の方はキャラの絵がけっこうラフで、特にチセの顔が安定してません。
アニメのチセは顔が安定して可愛くなった代わりに、目のクマの本数がおそろしいことになってました。
「え? こんなにクマひどかったの?!」
ってびっくりしたこの感想、既視感があるなあと思ったら、
テレビ放送がアナログから地デジに替わった時に芸能人などの顔を見て、
「え? こんなにシワ多かったの?!」
ってびっくりしたことを思い出しました。
解像度が上がって絵が綺麗になるのも考え物ですね。