くろゆき* さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 2.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
丸出しよ~、丸出し!
原作未読。
最近はこういう作品は苦手な部類に入って来るんだけど、思いの外ストーリーや内容が良く出来てる回があったりキッチリ作られてる作品だったので最後まで観て来る事が出来た。
とにかく甘すぎるというかやってる事も狙い過ぎてる描写もあったり、心がムズムズしてくるやり取りは多々あったんだけどキャラクターは良かった。
特に主人公はそういう過去もあるからだろうけど本当に良い子だなって思ったし、浪人生のキャラクターなんかは良い味出してて笑えたりもした。
重い内容なはずなんだけどその出来事がコメディチックになってたりするから重くなり過ぎずに観易さも出て良かったかなって思う。
かと言ってそこをネタのみで置き去りにする事なく、あくまで中心に添えてしっかり生きて来てるのでこのスロースタートっていう根幹が全ての内容に繋がって来る感じだった。
この設定があって言ってる事やキャラクター描写、友達との関係性に説得力が帯びて来ていた。
秘密があって背負ってるものがあってだけど離したくないものがあって、その心情があるからこそより内容に深みが出るし大切にしたいっていう気持ちが伝わってくる。
そのまま設定として飾りにしてあとは萌えとかギャグとかだけをやるのでなく、定期的にこの内容をストーリーに生かして来るから基本ゆる系の作品だと思うんだけど、悲しみも備わっているような目が離せない作品になってる気がした。
もし浪人していなかったら皆に出会えなかったっていう最後の台詞も響いて来るものがあった。
そして良かった回では自分が手作りで作ったネックレスを好意を寄せていた先生が(その生徒が作ったと)知らずに着けてくる回で、そこまでの先生との掛け引きだったり先生に対する想いの引きが全てここに集約されてる感じで大袈裟なストーリーとか内容とかやってる訳じゃないんだけど、精神からキャラクターの想いがビシビシと伝わって来るシーンであり回だった。
更に主人公のいつか話さなきゃいけないっていう思いへと繋げて来るから、より内容が生きて来てこの回をやった意味ってのが出てくる。
ちょくちょくこういう内容を挟んで来るから侮れない作品だった。
下手したら一話で観るのを止めていてもおかしくなかった作品ではあったけど、何だかんだで最後まで観てきて良い内容に出会えて良かったかなって思う。