qKPKR13003 さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 3.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
上品な暗さ シンプルな舞台の中で繊細に作り込まれた人間関係を描く
「鬱アニメ」の候補によく挙げられる「無限のリヴァイアス」。しかし実際に見てみると、描写や構図にとても気を使っており「そこで行われる行動よりもその行動に対してキャラクターがどう感じたか」を強調した作りとなっていました。そのため、扱っている内容は人間の負の側面が多いのに、悪趣味さや下品な表現による不快感はありませんでした。人が死ぬこともほとんどないので、唐突にショッキングな展開が起きることも少なかったです。どちらかというと徐々に壊れてゆく、溜め込んでいた苦しさが後半にパンクして爆発するといった展開を基本としていたので、話数や時間をじっくりかけて追い詰められていく息苦しさを表現していたと思います。物語の構成としてもまとまった作りとなっており、26話目は30分を丸々エピローグに割けるほどの余裕があったほどです。エンディングも前向きな終わり方だったため、消化不良になりにくいです。
近年の作品で作られる「鬱展開」はすぐにキャラクターを殺したり、ゴア表現、性的暴行、差別的表現を直接的に盛り込むケースが多く、単純に見ていて不快感を覚えたり、品のない痛々しさを感じて胸糞悪くなるパターンが多いように感じます。しかしこのリヴァイアスはそういった表現をせずに視聴者にキャラクター達の苦しみを伝えてくるので、繊細で上品な暗さを体感することができるように思えました。