はいじ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
南極へ行く、それだけがすべて
個人的にはこのアニメの評価は、キャラたちが素晴らしい、それに尽きます。
タイトルが「宇宙よりも遠い場所」だけに、お話のほとんどを「南極へ行く」為だけに費やされます。
主人公の4人はどこか世間とヅレていて、でも互いを支え合って自分たちを成長させていく、そんな姿が眩しいアニメです。
でも、いくつかの違和感はあります。
ひとつはどこまでも「彼女たち」以外の一般人の扱いが雑なところ。
一言で言ってしまえば、流行りでも、かっこよくもない、おしゃれでもない、「南極」を目指す彼女たちは、世間一般でいう変人であり、それを批判こそすれ、陰でバカにするクラスメイトたちは皆、敵であるかのように描かれます。
南極行きが決まった主人公の幼馴染が、陰であらぬ噂を流していた張本人だったり。
アイドルと知り合いたいだけのうわべだけの友達だったり。
学校を不登校になった原因である部活のメンバーが、南極にいくと聞いて応援にきたり。
どれもありがちなエピソードだが、それらとの決別をする彼女たちに清々しいものをみる反面、違和感も禁じ得ませんでした。
もっともこれらの辛い体験を乗り越えていく「南極」だからこそ、感動を与えてくれるのかもしれませんが、冷静に考えるともう少し救いがあってもよかったと思えてなりません。
そして何よりも肝心の南極での体験ですが、あまりにも少なすぎて、結局何が目的のアニメだったかわからなくなってしまいました。
ある意味「リアル」に女子高生が南極に行きました~的な、企画モノを紹介したと思えば納得の薄さですが、もう少し描き方があったんじゃないか?
と、残念に思えてなりません。
「南極へいく」そのためだけに、彼女たちは青春のすべてをかけた、そういうお話だと思えば、何故か違和感もなくとても丁寧に描かれていて、素晴らしい気がしてきます。
もし続編があるとすれば、もう一度南極へ行き、そこでの日常をメインに描いてもらいたい、と思った作品でした。