qKPKR13003 さんの感想・評価
3.7
物語 : 1.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
物語がキャラクターに全く関心がない
観終わってみての感想ですが本作は主人公である「桜満集」以外のキャラクターに全く関心がなかったように見えました。「この人はどういう思考をしていてどういう悩みを持っているのか、どういう行動原理でどういう変化があったのか」といったキャラクターの核となる部分が主人公以外のキャラからは感じ取りづらく、ただ物語を動かすために動いているような印象が強かったです。特にテロリスト組織のリーダーであり主人公の旧友だった「恙神 涯」の扱いが酷く、物語の都合で殺されて蘇らされたようにしか見えませんでした。他にも、物語の後半で敵の親玉がパンデミックを引き起こした理由もいまいちわかりませんでしたし、ヒロインがどのタイミングで主人公に好意を持ち始めたのかも自分には全然わかりませんでした。主人公も行動原理や変化が他キャラよりはまだある方というだけで、主人公に一番必要な「視聴者を共感させる」要素は個人的には足りなかったと思えます。というのも「桜満集」は気弱で優柔不断な性格のわりに特定のキャラ以外の「死」に異常なまでにリアクションが薄かったり、ヒロインや能力を奪われ、全てを失った後の立ち直りが異常に早かったりとナチュラルなサイコパスさが強かったからです。本作の魅力の一つである「人の心を具現化して武器にする」というコンセプトも本当にただ武器として使う描写が多く、後半になればなるほどにただ物語を動かすためだけの道具になっていた点も残念でした。様々なキャラクターには様々な考え方や悩みがあり、そんなバラバラなキャラクター達が関わるきっかけを与えるために物語があるのではないかと自身は感じているため、物語を動かすためにキャラクターを動かす「ギルティクラウン」は理解しがたい作品だったのかもしれません。