「劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] III.spring song(アニメ映画)」

総合得点
82.8
感想・評価
249
棚に入れた
1330
ランキング
350
★★★★★ 4.3 (249)
物語
4.1
作画
4.6
声優
4.3
音楽
4.3
キャラ
4.3

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ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

幸せになるまでの物語

今回は最終章との事で最初から初っ端な全力でしたね。
力を得たさくらは正直強かったですね。
最初の庭での戦いに誰も勝てないのを見てこの圧倒的な戦力をどう対峙するの?と思いながら見ていました。

イリア救出シーンでの逃亡戦ではかなりスピード感がありましたね。
イリヤのワイヤーのシーンはカッコよかったです。
私の衝撃だった初のシーンはバーサーカvs士郎でしょうか。
アーチャーの腕の力を使う。
それは宝具を具現化する代わりに諸刃の剣でもありました。
ただ、士郎が走ってアーチャーを追い越したシーンではアーチャーを士郎が超えたと言う解釈でいいのかな?
表現が凄く綺麗でした。
バーサーカ撃破後にバーサーカが喋ったのにビックリしました。

私、Fateシリーズってまともに見たのは士郎主役の話しとZEROくらいなのでw

さくらのシーンではゾウゲンの真の姿がw
お爺様小さいw
他のアニメのセリフをパクとするなら、かぐやの「お可愛いこと」でしょうかw
さくらちゃん一撃でお爺様に復讐完了

次はライダー&士郎vsセイバー
この戦闘は迫力が今作1番の力の入れようではないでしょうか?
ライダーの目隠しを外した能力は反則級に強く前作にでバーサーカすら防戦一方だったあのセイバーを一時的とは言え押さえ込みました。
石化を気合で解除するセイバーもセイバーですけどねw
今回は士郎にも耐える事がありました。
それはライダーがどんな窮地に置かれようとも動かないです。

士郎にとって誰かが傷つくのは見たくない。
だから、いつもは無駄でもなんでも飛び出して守ろうとするそれをしないのは士郎にとってもかなり重い枷でしかない…でも、それが勝つ為の1手であり、さくらを救う一手。
士郎が救いたいのは、ライダーでもセイバーでもなく、さくら…

作戦は成功しセイバーのエクスカリバーの一撃を士郎が防御して攻撃力を削ぎ落とした所をライダーの宝具がセイバーに一撃を加える2人だから得られた勝利。

トドメの士郎の一撃を加えるシーンの前に私にはセイバーが元に戻ったような表情をしました。
戻ったのか情に訴えたかは解りませんが士郎の決意の哀れの一撃でした。


次は、さくらvs凛

2人は姉妹です。
何も無ければ幸せに過ごせた姉妹。
でも、魔術の血がそれを許さなかった。
宝石剣、秘宝中の秘宝だそうで圧倒的な力を見せます。
それは凛の才能と秘宝だからこその力。
後、凛が宝石剣を振るうと出る光が綺麗でしたね。
でもアレ剣?飛び道具にも見える気もw
さくらをその剣の力で追い込む

自分が手に入れた力以上の力を持つ凛に思いっきりの言葉をぶつける。
自分の辛かった過去…人間扱いされずに誰も助けて貰えない…心の片隅の僅かな希望の実の姉の凛すら助けには来なかった…助けには来なかったけど…自分の目の前の姉は自分を殺す為には来ているのだから…

正直、さくらの過去は悲惨な物です。
あの家で行われて来た事は許される事ではない…憎悪や憎しみ苦しみが今の結果なのだから…

でも、凛はそれらの言葉を一言で一掃します。
「だから何?」
この一言を皆さんどう感じましたか?
冷たいですか?酷いですか?

私には一理あると思いました。
誰かの苦しみを理解するのは難しいからです。
例えば、当事者が辛い想いをしていたとして、周りの人が100パー気持ちを理解するのは無理だからです。

周りの人が考えるよりも当事者は絶対にそれを以上に辛い想いをしているからです。
話を聞いて感じる辛さと実体験をして感じる辛さは同義にはならないと思うからです。
だから、簡単に下手な言葉を掛けられないと凛は感じたのかもしれませんね。

凛はさくらに最後の攻撃をします。
決着を付ける一撃…さくらを殺す一撃…全てを終わらせる一撃……
地面に血が滴り落ちます。
凛の血です…彼女は負けたのでありません。

殺す覚悟をした凛はさくらを見て殺せなくなった…姉妹だから…妹だから…お姉ちゃんだから…いつだって先を歩いてしまうお姉ちゃん。
過去の回想で、さくらはポーカーで強い役を作ります。
誇らしげにカードを並べるさくら、凛の手札は彼女を上回る役で出すか悩んだ凛の姿。

凛だって頑張っていた過去を知る。
自分が頑張れば、さくらには負担はないと頑張っていた結果それは、さくらを救えない結果にだった…でも、今は違う…さくらを救える男がいる…そう決意した男がいる。

過去のさくらはどうしても誰にも救えない…
でも、今目の前にいる女の子は…泣いて苦しんでるさくらは救えるそんな希望があるから凛は一撃は入れられなかったのかもしれません。

凛を倒したさくらは正気に戻ります。
そこに覚悟を決めた士郎が現れます。
士郎とさくらの会話には見せられるものがありました。

兄とお爺さんを殺してしまった彼女…それは許せない事でだから自分は助からなくていいと。
ただ、士郎はそれでも救い出す「当たり前だ奪ったからには責任を取れ」これは、さくらにのみ許される言葉ですね。

本来なら人の命を奪うのは許されない。
これがさくらの考えでもありますね。

確かにそうなんだけど…さくらに関しては明らかに両方とも正当防衛だと思うんですよね。
だから、士郎は責任を持って生きるようにさくらに言うんだと思います。

そして、1作目でいいました。
「私が悪い事をしたら叱ってくれますか」
士郎はさくらにお灸を据える。
マユとの縁を切る事が出来るルールブレイカーを…さくらを解放した士郎は歩きだす。

アーチャーの腕で残り僅かしかない命を振り絞りその先に居たのは言峰でした。
正直、後ろであれだけの事があって背中を向けて座ってたって考えたら笑ってしまいそうになりましたww

ここからは士郎vs言峰の殴り合いなんですが、先程まであれだけの戦闘を見せられた後なんでショボく感じてしまいました。
大切な戦いなんですが迫力に欠けますね。

ラストはマユとの戦い…士郎はアーチャーの腕でトドメを指すつもりですが感じてしまう。
次に力を使うと限界がくると…その先に待つのは死です。

士郎はそれを恐れてしまう。
死は誰にでも訪れる平等な物です。
でも、自分の一寸先の死を悟って何人が恐怖を感じられずにいられるだろうか…
士郎を怖さが襲う。

そこを救い出したのイリヤでした。
彼女は自分を引き換えにマユを消滅させようとする…士郎に本心を聞きながら「生きたい?」と…士郎は必至に「生きていたい」と告げる。
自分の気持ちに正直に…でも、それはイリヤを失うと言うこと、それでもイリヤは最後まで笑顔でやるべき事をする。
妹としてではなく…姉として。
私はイリヤは犠牲なったのではなく母のそ元に帰ったのだと思います。
最後にお母さんが迎えに来ていたし。
そうであってほしい。

一方、士郎は消滅してしまいます。
ラストに凛とさくらが各地を歩き回り凛が何かを見つけ、さくらが抱える鳥籠が光りだす。
ここは私には理解出来なかったけど、魂?か皆んなの士郎の記憶を集め器を見つけて転生させたって感じかな?
色々調べたら色々な仮説が立てられてましたが、真相はいかに。


そして戻る日常。


ラストに凛がさくらに幸せかを問うシーンがあります。
私がこの映画で感じたのは…

さくらの過去は辛い物で苦しい事や逃げ出したい事の毎日でした。
その時は周りは敵だらけだったかもしれない苦しくても生きて行けば、いつか士郎達の様に手を差し伸べてくれる人が現れる。

今この時だって現状が辛い人が沢山いると思います。
その苦しみは長い様に見えるし光が見えないかもしれない…それでもいつかは必ず味方になってくれる人が現れる…

さくらの様にいつかは幸せだと答えられる日々はきっとくる。
そう思える映画でした。
私がこのレビューのタイトルに込めた想いはそこにあります。

物語の最後のシーン。
さくらと士郎が満開の桜の方に歩くシーンから二人の歩幅が同じ歩みをするシーンが印象的でした。

投稿 : 2020/08/17
閲覧 : 397
サンキュー:

12

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