シボ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
真剣に向き合うからこその殴り合い。
高校2年に進級した主人公の高須竜児。
出会う否やぶん殴ってくるような小柄で狂暴な女の子の逢坂大河。
(小さくて狂暴な大河ってことから手乗りタイガーね)
そしてクラスメートには大河が片思いしてる生徒会副会長の北村祐作。
竜児が片思いを寄せる女子ソフトボール部の櫛枝美乃梨(みのりん)。
遅れて転入してきた北村の幼馴染のモデルの川嶋亜美。
この友達5人の交錯するドラマを描いた青春学園ラブコメです。
序盤は大河と竜児が互いの親友の北村、みのりんへの
片思いを成就させるために協力します。
でも全然うまくいかずに失敗ばかりって展開です。
みんな不器用で相手のことを考えてばかり・・
思春期ってそうなんだろうけど、中々自分の気持ちを素直に
表現出来ないのがもどかしくもあり、切なかったりします。
中盤、大河が好きだった北村が全校生徒の前で生徒会長へ告白してから
片思いの恋のバランスが変化していきます。
相手のことを本当に大切に思っているからこそ体でぶつかっていく。
カッコいい生徒会長と大河とのタイマンでのシーン。
お互い男勝りすぎてぼっこぼっこの殴り合い。 凄っ!
北村を想う2人の本気のぶつかり合いの姿・・・
会長の涙「馬鹿になれたらどんなにいいか」熱いな~。
「おら~!てめ~ら~!」ってこんな会長、ついていきたいです(笑)
後半は竜児をめぐっての女子3人の揺れ動く細かい心情が
とても伝わってきて切なかったです。
クリスマスパーティで竜二をみのりんのもとに送り出す大河。
大河の北村君への想いは憧れ?(恋に恋するってやつだったのかな~)
でも一人孤独に暮らしていた大河を毎日暖かく迎え入れて、
家族のようにご飯を一緒に食べたり、共に学校に行ったり
本当にいつもそばにいて守ってくれていたのは竜児。
その竜児とは、大好きな親友みのりんの為に離れなきゃいけない。
頭で理解しようとしても、心は・・・。
竜児のことが大好きなんだって気持ちに気づいた時のあふれ出る涙!!
そりゃ最初からそうなんだけど、こんなの観たら泣いてしまいます。
女子3人に惚れられる竜児はとっても優しいし、思いやりもあって、
みのりんじゃないけど人を常に喜ばそうと一生懸命なところは、
好きになってしまうのわかります。
みのりん(おばけとか、たとえ話がわかりずらいよ~)にしても
亜美(自分の気持ちはどうなの?)にしても自分の気持ちを隠すため
にわざとらしく馬鹿げた行動してしまうのが痛々しくて
辛いな~って観てました。
(やっぱり振られちゃうだろうこの二人に目がいっちゃいます・・)
周りの心情が見えてしまう亜美が大河を想うあまりに自分の気持ちを
閉じ込めてしまうみのりんに対して
「罪悪感はなくなった?・・・」 観てるこっちがドキっとした。
大河の為に自分の気持ちを引いてしまうみのりんにイラつくのって
まさに亜美自身も行動出来ない自分に無意識にイラついてるんだなって。
そんな2人が本気で殴りあいながらも、真正面からぶつかって気持ちをさらけ出すシーンはとっても切なかったけど、真剣だからこその衝突なんですね。
卒業式での体育倉庫で大河の為に☆を探してる時の亜美
(クリスマス準備の時の「私の事も一から入れてよ」もそうだけど
竜児と二人きりの時に亜美の切ない本音聞けますよね~)
「わかってくれる人が一人でもいたらきっと大丈夫なんだよね」
あれ、なんだかんだ亜美についてばかり書いている・・・
(気づかないうちにやっぱり私ってば、亜美推しなのか~!?)
バレンタインの手作りチョコを教室で大河が渡すシーンはこのアニメで
一番泣きました。
みのりんが大河の本心を引き出すために必死に説得するんだけど
嫌がって逃げようとする大河。
そんな大河に本心を告白させるために亜美と北村が教室の扉をふさぐ。
辛いのはみんな一緒なのに、大河と高須の為に行動出来る仲間達の姿に
めっちゃ熱くなって、ダメだ~涙止まらない~。
そんなみんなの助けがあって、やっとお互いの気持ちが繋がった
大河と竜児。
(ここまで色々あったけど、ようやく収まるところに・・)
駆け落ち展開は若いというか未熟だな~って思っちゃったけど、
ちゃんと母親とやり直すって展開は良かったな。
だって大河は家族の愛にも飢えてたのだから、親を含めた家族と上手くいかなければ、本当の幸せになれないですしね。
ここ最近恋愛ものを観て思うのだけど、当人同士が素でいられる
関係って大事なのかなって。
それでいうなら、亜美と高須も結構本音でしゃべれてて良い感じに
なれたかもなと。 大河がいるからそれはないんですけどね。
(もはや亜美推しの私はそんなことも思っちゃいました・・)
女同士の殴り合い上等だよって、実際はないでしょ?って思ったけど
みのりん、亜美、大河はみんながみんな
相手のことを考え抜いて、不器用なまでに真っすぐにぶつかり合う。
そうした中で生まれた絆はとっても暖かくて素敵だったな~。
最後はやっぱり、あ~青春って良いなって思える作品でした。