「魔法使いの嫁(TVアニメ動画)」

総合得点
80.9
感想・評価
978
棚に入れた
4382
ランキング
429
★★★★☆ 3.6 (978)
物語
3.5
作画
3.7
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.5

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ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

真夏の夜の夢

“星待つひと”を先に観ていることがそうさせるのだろうか…。

舞台をロンドン郊外の長閑な田園風景に移し、心優しき(?)キャラ達に包まれるチセ。
それがかえって不安をかき立て、ザワザワさせられる。
上手い演出であり、そして何より美しい。
オープニングや予告編を巧みに使ったクリフハンガー感も絶妙である。

2クールを目いっぱい使い、周りを固める魅力的な登場人物のストーリーを絡めながら、チセを見守る姿に説得力を持たせてゆく構成が素晴らしい。

そして、ここぞという場面で見せるチセの表情に痺れる。
前半最後の“あのシーン”に被る「Here」、JUNNAの絶唱に震える。

“スレイ・ベガ”について少し調べてみた。
「真夏の夜の夢」である。

とある森の中へ恋仲の青年と駆け落ちした娘、彼女には親が決めた婚約者がおり、二人の後を追って行く。さらに、そのフラれ男を慕う娘が加わって…。

ウィリアム・シェークスピア作の喜劇であり、元祖ラブコメである。

この二組の男女をかき回すのが森の妖精たち。

浮気性の妖精王“オベロン”と嫉妬深い女王“タイターニャ”、さらにオベロンが田舎娘に産ませた子供である“パック”、またの名を“愛し仔”ロビン・グッドフェロー。

主人公“チセ”のロンドンにおける最大の理解者であり、魔法道具を扱う店の女主人“アンジェリカ”、彼女の使い魔である“ヒューゴー”(久野美咲)が、初めてチセに会った時にかけた言葉が興味深い。

「ようロビン!」である。

チセがスレイ・ベガ、“夜の愛し仔”と呼ばれる元ネタとつながる訳だ。

他にも、“真夏の夜の夢”からは、瞼に塗る“媚薬”や“取り換え子”を巡るストーリーなど、魅力的なアイテムや民間伝承が“まほよめ”の世界に取り入れられている。
気付かないだけで、まだまだ数多くのこだわりが散りばめられているはず。

ハリーポッターではないが、先達へのリスペクトを感じながら、これからもチセとの旅を続けてゆきたい、心の底からそう思うのである。

投稿 : 2020/08/18
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サンキュー:

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