みかんとラッパ さんの感想・評価
3.9
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
アニメ史に残る「第2話」と「ロジャーラビット:ミッキーマウスの反乱」
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舞台は西暦4000年ごろのユーラシア大陸。
文明が崩壊した世界で、人類は怪物のような生命体ガドルの脅威に晒されていた。
人類は最後の砦となった移動要塞デカダンスで暮らし、ガドルを狩ることで資源を得ていた。
父をガドルに殺されたナツメは
復讐心からガドルを狩る戦士(ギア)を志願するが不適合となってしまう。
仕方なくデカダンスの装甲修理人として働くこととなったが
そこで同じく装甲修理人であるカブラギと出会う。
ガドルと戦う力を持った「ギア」と呼ばれる人たちと
戦う能力を持たない「タンカー」たち。
この世界の構造には大きな秘密があった…
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立川譲(監督)と瀬古浩司(脚本)のタッグは
「残響のテロル」以来かな(?)なんて軽い気持ちで第2話まで見ると…
{netabare}滅亡の危機に瀕した人類が荒野で繰り広げる人間ドラマ……と思っていたら、
「デカダンス」はサイボーグたちが「素体」にのりかえてゲーム(ガドル狩り)を楽しむ施設。
しかも人類はサイボーグたちの娯楽施設である「デカダンス」のフィールド内にしか存在しておらず、その外は完全にサイボーグの世界。
実は「カートゥーン的な」サイボーグたちが世界の主役であり、絶滅寸前の人類を使って娯楽を楽しんでいるという設定。
{/netabare}
立川譲(監督)のインタビュー{netabare}https://news.mynavi.jp/article/20200716-1153972/{/netabare}が
非常に面白いのですが、
カートゥーン的なポップデザインにした理由には
「両者の立場の違いを強調させるため」と述べています。
カートゥーンは
人間のような姿をして言葉を喋る動物を中心としたキャラクターたちを指しますが
私が特に連想したのは「ロジャーラビット」というハリウッド映画です。
映画「ロジャーラビット」は
カートゥーンキャラクターたちと人間がいかにして共存していくかを描いたコメディ作品なのですが、
当然、人間サイドからみたカートゥーン社会が描かれています。
カートゥーン社会が人間を管理する、なんて想像もできない構造です。
本作品の最大の面白さは、
この世界の構造に何の疑問を持たずに暮らしてきたミッキーマウスたちが
「実は人間という上位の存在に道楽として使われていた」という真実に
気づいてしまうというイベントが用意されており、
しかもこのキャストとゲストの構造まで入れ替わっているという点に尽きますね。
今後の展開が楽しみです。