ato00 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ディープなクズのストーリー
「クズ」という衝撃的なフレーズ。
それと、ヒロインの憂いを含んだ可愛い表情にそそられ視聴しました。
この物語、想い人に想いが届かない高校生が仮の恋人関係を持つことで始まります。
その過程で、悩み苦しみ、他人を傷つけ、自己を嫌悪する。
激しく静かに息苦しい、そんな感覚の作品です。
一言で言うと、シリアスラブストーリー。
いや、そんな言葉で表せないようなズブズブの人間関係です。
とくに、登場人物の内の声が怖い。
心の奥底の闇が如実に表現されます。
それを聞いていると、結構精神がやられます。
だから、中盤くらいに視聴が嫌になりした。
{netabare}それでも我慢強く観ていくと・・・{/netabare}
腐った人間のことを、クズといいます。
でも、誰しも多かれ少なかれクズの部分は持っているものです。
自己保身や承認欲求、はたまた簡単に説明できない欲情まで。
そんな本能的なものを経験により組み伏せ、人は成長するんでしょう。
なにげに感じたのは、男女の性差。
男の方が概して単純で可愛い。
一方、女の方は繊細で複雑で純粋。
まあ、そういう風に出来ているとしか言いようがありませんが。
本編とエンディング曲「平行線」のつなぎにセンスがあります。
余韻がジワっと体の奥を満たしていくような感じです。
平行線、男女の関係として言い得て妙。
そして、惹かれ合う力によって結局は交わっていくものなんでしょう。