カマキリ宇宙人 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
国民として考えざるを得ない「震災」という脅威
ネットの掲示板で度々「泣けるアニメ」として評価が高かった本作。FODに加入してやっと見ることができました。
他の人も話題にされていましたが本作の放送は2009年。東日本大震災の前にあたります。首都直下地震として、被害は主に建物の倒壊と火災によるものになっています。東日本大震災以降耐震基準がさらに厳しいものになり、現代ではここまで被害が大きくなる(死者18万人超)ことはないと信じたいですが、本作の地震の描写があまりにもリアルでショッキングであり、また余震の恐怖も存分に描かれていて、今この地震が起きたらホントにこんな状況になるんじゃないかと身震いしました。
物語は、未来と悠貴、マリさんを中心に展開していきます。地震の惨禍で姉としてそして人間として成長していく未来。どんな時も明るく、姉を慕い続けた悠貴。そして、とても面倒見がよく兄弟のことをずっと助けてくれたマリさん。未来を筆頭に三者とも魅力的なキャラクターとして丁寧に描かれています。それ故に感情移入がしやすく、泣ける作品になっています。ストーリーの展開で特筆すべきところは物語の終盤部分になりますが、ここでネタバレするにはあまりにも重く辛いものであるので省略させていただきます。是非ご自身の目でご覧になってください。
東日本大震災からもうすぐ10年という節目を迎えます。このアニメを契機に、震災ひいては災害について考え直すのもいいと思いました。その価値がこの作品には十分あると思います。