aonisai さんの感想・評価
4.9
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
名作にふさわしい
私を中毒にしてしまった作品です。
この作品は思春期の心を非常にリアルに描いています。
碇シンジは内向的な性格、アスカはプライドが高いところがありますが、それはそれぞれバックグラウンドからの家族愛、自己愛の欠如に起因しています。
正直この作品はシンジとアスカにどれだけ感情移入できるかで評価が180度変わると思います。
嫌いな人はシンジの所々で見られるネガティブさに嫌気がさすと思いますが、彼はたった14歳の少年です。いきなり初号機の前に連れてこられて乗れと一方的に言われて二つ返事で承諾する14歳がいるでしょうか。三号機起動実験の後のシンジの心情ももっともだと思います。
私の思春期はアスカとシンジ両方に通ずることがあり非常に楽しく見ることができました。
物語についてですが正直なにもみずにそのままみたら理解が追い付かないです。
なので考察、解説サイトをみたり、自分なりに考察を修正する必要があると思います。これをするだけで貴方の中のエヴァンゲリオンは10倍面白くなりますし。評価もガラッと変わると思います。
この作品を理解しようとするためにこの過程が必要なのがこの作品の面白いところでもあり、同時に最大の弱点でもあります。噛めば噛むほど味が出てくるというところです。それを象徴するのが弐拾五話と弐拾六話です。それを作り直した「Air/まごころを君に」を合わせてみることで理解が深まると思います。
「Air/まごころを君に」をもって旧作エヴァは完結となります。TVシリーズを見た方はぜひ見てください。
他に私が評価しているこの作品の特徴についても述べておきます。
・世界観が複雑で作品を通してメッセージ性が読み取れる点。
・作画、声優、演出がすばらしく、作品世界に入り込められる。
エヴァンゲリオンの魅力はそのリアリズムにあります。根源的なテーマを読み取れることから哲学的な要素もあり非常に考えさせられる作品です。
アニメを見て考えることが好きなひとならきっとはまってしまう作品だと思います。ぜひ見てみてと薦められる作品です。