Rodion さんの感想・評価
4.0
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ゾンビアニメの最適解
本作は大変完成度の高いアニメである。
特に一話が素晴らしく日常の破壊という本作の中心となるテーマに時間を割きつつそれでいて間延びしていない。
登場人物たちが最近のアニメにありがちなグダグダがなく最適解ともいえる動きをしながらも、二話のラストでいかに異常な状態に巻き込まれているのかということを再認識させてくれる構成も見せ方として素晴らしくとてもいい。
他にも本作のキャラクターは男性陣は総じてこのパンデミックによって、抑圧された日常から解放されたが、女性陣は全員不幸になっていくというアメリカ映画のような関係になっているという点も面白く、このような点がよくあるお色気ハーレム物との違いだろうと思う。
また原作を自分が読んでいないので確かなことは言えないが、本作はなぜパンデミックが発生したのかということはやらないだろう。
それは原作者が架空の戦争の戦後処理の話を書いていたり、そのような作品が得意だからというのもあるが本作の面白さがパンデミックによるコミュニティという点だからだ。
この構成が12話という短いクールにハマったことで本作はこんなにも面白い作品に仕上がったのだろう。
ただ本作にも欠点がないわけではない。
上げるとするのなら二つほど本作は欠点を抱えている。
一つ目は紫藤 浩一の扱いが雑過ぎてなぜ出したのかわからないことだ。
主人公たちが一歩間違えたら彼らのようにカルト化するという意味なのか何なのか作中で描かれているだけでは私にはかませ犬にしか見えなかった。
二つ目はよくも悪くもゾンビものということだ。
衝撃的な展開もなければ唯一無二の要素もないよくも悪くもゾンビものなのだ。
その為本作に新しい何かを求めるのはおすすめしない。
とまあつらつら書いてきたがいい作品なので時間があるのなら一クールと短いので見て損はない。