キャポックちゃん さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.5
作画 : 2.5
声優 : 3.0
音楽 : 2.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
王道を外れてからが面白い
【総合評価】☆☆☆
部員不足で廃部寸前だった女子剣道部に、少しずつ個性的な部員が集まり、地方大会に出場するまでになる---というと、いかにも部活アニメの王道のようだ。だが、王道を外れてからの方が面白い。
この逸脱は、アニメのストーリーが連載中の原作マンガ(未読)に追いついてしまい、第19話から倉田英之(脚本)によるオリジナルの展開になった結果として生じた。原作では5人の剣道部員が対等に描かれるらしいが、アニメでは、川添珠姫という、いかにも倉田好みのキャラにスポットライトが当てられ、第19話以降では、オリジナルキャラの鈴木凛とともに完全に主役となる。
珠姫は、幼少時より剣道一直線の生き方をしてきたため、技量は圧倒的であっても、勝負の駆け引きができない。倉田が愛するのは、『神のみぞ知るセカイ』の汐宮栞や『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の黒猫のように、一つことにのめり込むあまり、人間として欠けたところのある少女。珠姫は、正にそのタイプである。彼女が、より高い境地から剣道のあり方を見つめ直す終盤は、倉田脚本の真髄が味わえる佳編である。