ノリノリメガネ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
悲しみのダークヒーロー
湯浅監督の、ということで見た。
おそらくデビルマンの漫画を原作にし、それを現代風にブラッシュアップさせた作品。
{netabare}
アニメーションは湯浅監督らしくぬるぬる動く。
ただ原作がそうだから仕方ないんだろうけど、とにかく鬱展開に次ぐ鬱展開で全くハッピーさの無い話だったので、視聴した感覚としては苦しいものがあった。さらに結構なエログロもあるので他人には勧めにくい。
悪魔と人間との戦いを描く中で、どちらが悪で醜いのか良く分からなくなってくる様を表現している。決して勧善懲悪でないので、視聴者の心に何らかの傷を残してくれる作品ではある。
まさにコロナウイルスが蔓延している世の中において、感染者や感染していなくても関東からただ移動した人についても世間の目が厳しくなってしまう現象にも似てるな、と。
人間が疑心暗鬼になって利己的に他者を傷つけ、殺していく。悪魔とは何か。人間とは何か。どうなればハッピーになり得たのか。考えさせられた。
いまいち了がどうしたかったのかわかりにくいのが難点。
せっかくの焼き直しなので結末とかをもっとハッピーな感じに脚本を変えれば、もっと現代人にも受け入れられたんじゃないかなって思った。
ちなみに昔、デビルマンの実写映画を見たこともあるが、知る人は知ってると思うけどこの映画は邦画の歴史に名を残すほどのクソ映画であることで有名なので、まだ見たことのない人は記念に一回見てみることをお勧めします。
{/netabare}