セシウス さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
拒絶と融合の物語
宇宙生物に半ば侵略されてしまった地球で、子供に宇宙生物の因子を埋め込んで育てて戦わせる大人たちと、恐怖と苦痛に苛まれながらそれでも戦う意味を見出して必死に戦う子供たちのお話。その重苦しさと暗さは半端ないです。
世界観は大変よく練りこまれていると思いますが、敵としての宇宙生物と既に主人公たちの生活に融合している宇宙生物との関係が何の説明もないのでわかりづらいです。また、主人公たちはファフナーという巨大ロボットに乗って戦いますが、ファフナーに関する説明もないので戦闘シーンで何が起こっているのかもまたわかりにくいです。
それでもこの作品は、子供たちを兵器として運用せざるを得ない大人たちの苦悩や葛藤と、次々に仲間が倒れていく中懸命に戦う主人公たちの姿を丁寧に描いているので、それら一つ一つのシーンは胸をうつものがあります。
声優についてはメイン3人は当時若手で声優専業でない人もいますが、それぞれ良い味を出していたと思います。
音楽はOP曲ED曲共一度聴いたら忘れられないメロディーです。劇中曲も重厚で大変素晴らしいものでした。
近未来SFでありながらリアルで重苦しい話が好きな人にオススメです。悲しいシーンの連続で、ラストもハッピーエンドとは到底言えないのでそういう覚悟は必要です。