プランタン さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:今観てる
本物の死が、そこにある
この作品の妙味は、軽すぎる死にある。
ゲームをしている側(サイボーグ)にとって、死は単なるデータの損失でしかなく、育ててきたアバターキャラをもう一度強化しないといけない、程度にしか考えていない。
タンカーにとってはガドルは脅威であり、憎むべき敵であるが、ギア素体で戦うサイボーグ側はただのポイント稼ぎの的である。
でも、私たちの生の価値観とまったくかけ離れているのか。世界の果てを見に行こうとする冒険家は憧れを抱かせるし、前人未到の偉業には心が躍る。冒険は危険を伴いながらも惹きつけて已まない。死はどこにでもあるが、選ぶのは自分である。
カブラギにとっての冒険は、バグを見つけ処理するだけの人生から、ナツメと出会い共に戦い守ることへ変わった。バグを見逃す、それはスクラップになる道である。しかし、彼はそれを選んだ。「生きる世界は自分で決める」とあるとおり、ここで生き、ここで倒れることを選択したのだ。
物語は未だ道半ばである。カブラギとナツメの見ている世界は今ようやく重なった。彼と彼女が何を選び成長するのか、終わりまで楽しみたい。