tomledoru さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
爽やかな題名とは裏腹の悩み続ける物語
続編までの「俺の妹がこんなに可愛いはずがない」を
見て違和感を多少なりとも覚えた人は少なからずいるでしょう。
最後の結婚式のキスシーンで,エールを送れる人
反対に気持ち悪さを覚える人様々だと思います。
さて,「恋風」は全く様相が違います。
耕四郎・七夏,兄妹が初めて出会ったときから
風景は爽やかです。桜の花の季節は
新鮮です。
長い間会っていなかった兄と妹ですから,「半ば他人」の
ような感覚に陥るのでしょうか。
基本的に七夏は優しいです。優しく人を
受け入れる性格です。
自分の情けなさを受容してくれたし,
もともと優しい七夏に最初から惹かれていたように
思えます。
七夏も一緒に買い物に行ったり,雨の日のお迎えや
電車で痴漢から守ってくれたことなとなど
惹かれていく様は十分に描かれています。
七夏はストレートにお兄ちゃんが好き。
といいますが,耕四郎は
自分の感情をいったんは抑え込んでしまいます。
特に兄の葛藤は半端ではないし,両親には
言葉にできない謝罪もしています。
「兄と妹」の世間一般では許されない恋に「恋風」
という爽やかな題名が付いたのはなぜでしょうか
「どうして兄妹だと好きになっちゃいけないの」
という七夏のセリフにあるように,
それは,この物語が「リアル」で「純粋」で
「切な」過ぎるせいなのだと私は思います。
行きつくところまで行ってしまっても,
この先,二人が分かれるのも幸せ。
駆け落ちするのも幸せ,とにかく幸せになってほしいと
願わざるを得ないエンディングでした。
嫌悪感はいったん置いておいてみる価値のあるの作品だと
思いました。古い作品ですが。