でこぽん さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
それでも人は生きてゆく
この物語は自然界の無常を描いたもの
はかなく、むなしく、静かな物語。
この物語は「蟲師」の続章なので、先に「蟲師」を見ることをお勧めします。
時代は江戸時代の末から明治時代の初期あたりの異世界
おそらく私たちが住む世界と異なるパラレルワールドのようです。
人の目に見えない異界のもの、妖怪のたぐいを、この物語では「蟲」と呼びます。
そして蟲は、人々に様々な影響を及ぼします。
蟲に取りつかれた人の多くは苦しみますが、中にはそれで命拾いをした人もいます。
主人公であるギンコの仕事は蟲師。蟲に取りつかれた人の治療を生業とします。
ですが、ギンコがどんなに頑張っても、治らない人も多数います。
治らない人の多くは、やがて人としての命を終えることになります。
まるで現代の医学ではどうしようもない病気と闘っている医者のようです。
それでも残された人は黙々と生きてゆきます。
特に私の印象に残ったのは以下の対照的な二つです。
第十六話 壺天の星(こてんのほし)
蟲のせいで異世界へ行った娘を現世に連れ戻すための家族愛が感じられます。
第十七話 水碧む(みずあおむ)
蟲に取りつかれた子供を救うために母親やギンコがどんなに頑張っても、……
自然界はいつでも、はかなく、むなしく、ときとして残酷です。