シン さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
シビュラシステム怖すぎる
一期もなかなかのディストピアでしたが、二期では更に安息に見せかけた絶望的な世界というのを突き付けられました。一期に比べるとかなりフラストレーションがたまります。
やっぱり、犯罪にさらされて一時的に犯罪係数があがってしまった人を執行対象にすることも、それに何ら疑問を持たず殺処分する公安も怖すぎます。一係は朱をはじめ、むやみに殺そうとはしないけれど、メディカルセンターたてこもり事件で、三係が無表情に逃げてくる人々を殺していく様は吐き気がこみあげました。
それに、人を殺す権限を与えられているにも関わらず、三係の面々が職務を適当にこなしている描写があり、あれじゃあ殺されるほうも報われない。シビュラ、ドミネーター、犯罪係数に何も疑問を持たないからこそなんでしょうが、自分が処分される側になったらとかを想像することすらできないのか。
それからフラストレーションがたまったのは霜月美佳というキャラクター。
一期に比べて有能になった朱や宜野座さん、相変わらず優秀な六合塚さんと唐之杜さん、(本性はともかく)ダンディニヒルな東金さん、コミュ障だけど優秀で可愛い雛河さん、これだけ魅力的なメンバーが揃っているのに、それらをはるかにしのぐ霜月さんの嫌なキャラっぷりでした。
いくら自分と相いれない考え方をしているからって色々と教えてもらう立場の先輩に対し、いちいち噛みついたり、高圧的な態度をとるっていうのが、ゆとり世代と言われてきた私でも理解に苦しむし、責任をとらされることを恐れて行動しない自己保身てきな性格、何でもかんでも人のせいにする性格が本当に受け付けない。
制作側があえて嫌われキャラにしたみたいですが、ただでさえ鬱になる世界観なのに、こういうキャラを登場させるのはやめてほしかったです。
今回のラスボス鹿矛囲。鹿矛囲の犯行に至った動機は槙島に比べると納得できる。医療技術の実験による事故に巻き込まれた上に、社会システムにも認識されない「透明人間」になってしまった。シビュラを憎まないはずはないのは確かだけれど、もう少し他にやりようはないものか。ただ槙島も含め彼らみたいにシビュラシステムに反旗をひるがえす存在がいないとこの世界のディストピア度はますます進んでしまうのかも。
朱が一期の「年上の部下がー」と悩んでいた時期からは各段に成長して優秀になっていたのに、それに比例するかのようにますます陰惨となっていくこの世界に、救いはあるのか。