qKPKR13003 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
出来る範囲の中で精一杯にやり切った隠れた名作
セイクリッドセブンは、主人公の丹童子アルマが「悪石」と呼ばれる怪物から人々を守るためにセイクリッドテイカーに変身して戦うヒーローアクション作品です。サンライズ作品にしては珍しくロボットがメインではない路線を発掘しようとしており、脚本もとても王道でわかりやすく作られています。物語の展開も非常に丁寧で、登場人物も余分に増やすことなくメインキャラクターにしっかり焦点を当てた進行になっていました。が途中から話数の関係上、どうしても描写しきれない箇所が出てきてしまい、打ち切りと言わざるを得ない中途半端な終わり方となってしまっています。それもそのはず、なんとこの作品は当初は2クール全24話予定でオーダーされていたらしいのですが、第6話を製作途中に全13話予定へと、更に全12話予定へとオーダー変更が繰り返されたことで1話分切り詰めなければならなくなったため、第11話~第13話の内容を第11話~第12話へと縮めた形で放送されてしまったとのことです。つまり1クールでの構成はしていなかったものを急遽変更しないといけない状態となってしまったらしいです。そのため後半(2クール目)のために用意していたであろうネタやop映像なども話を縮めた関係上入れ込まなければなくなり、余計に打ち切り感を強めてしまっています。しかしそんな製作途中に突然変更しなければならない中でも精一杯、できることをやろうとする姿勢は変わらなかったためか、わずか12話という少ない話数ながらも「わりとよくまとまっていた」という意見が多いです。実際、私も視聴し終えこの事実を知ったうえでもよくまとまっていたと思いましたし、精一杯頑張っていたスタッフの姿も強く感じました。やり切れない悔しさの中でもやりきるスタッフの意地はまさに本作の主人公、アルマの強い「意思=イシ」に近い硬く揺るがぬものだったように思えます。だからこそセイクリッドセブンは出来る範囲の中で精一杯やり切った隠れた名作だといえるのではないでしょうか。