ウェスタンガール さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
魔法使いも“いる”日常
一般の日常に“魔法使い”を溶け込ませたという点において、“魔女の宅急便”や“ハリーポッター”は画期的な作品であった。
それでも、そこは、魔法を使った大活躍や“例のあの人”との対決等々、立派なファンタジーの世界である。
翻って“ふらいんぐうぃっち”に存在するのは、ある意味“魔女”という属性のみであり、魔法使いも“いる”日常と言っても良い。
舞台は、不思議な民話や伝承に事欠かない地である遠野物語の故郷、なぜか遠く西の果てのブリテンの地と親和性が高く感じられ、さらには、そこに満ちる音にも何か相通じるものを感じる世界だ。例えるなら、ブリティシュフォークと津軽民謡の旋律に流れる共通点のようなものである。
監督の桜美かつし氏は、少女革命ウテナのレイアウト監修やレールガンでの学園都市を飛び回る御坂美琴など、画面構成に長けた演出を得意とされ、ここでは、牧歌的で温かみのある空気に満ち満ちた東北の景色、その中を静かに飛ぶ、まさに“ふらいんぐ”の世界が美しく丁寧に描き出されている。
“カタカナ”ではなく、“ひらがな”の魔女がいる世界が心地よい。
あと、キャラデザは安野将人氏、最近では『スロウスタート』の丁寧なお仕事が秀逸、女の子を美しく描く方だなと感じており、個人的には最も活躍を期待する作監さんです。