たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
サイバーパンクの「新しい形」
※重大なネタバレになりますので、見ていない人はそれを考慮した上で読んでください。
大手通信会社が提供する新型通信規格「5G」の登場によって、スマホやゲーム機によるインターネットアクセスがさらにスムーズになり、アニメや映画で登場するような「仮想空間」や「サイバースペース」といったバーチャルシステムは、更に拡大されることだろう。
もはや「サイバーパンク」とは「未来」の話ではなく、「現代」の話であることがよくわかる。
本作「デカダンス」はそういった現代的な問題を、擬人化したサイボーグから見た「人間の暮らし」を見ることによって、「人間の再定義」をやろうとしている。
本作ではシステムで管理されていない「自由(フリー)」である人間の個体のことをシステム上の「バグ」であると説明される。宇宙人やロボットからすると、「人間社会」ほど複雑で奇妙な存在はいないかもしれない。。感情の起伏が激しく、自分の意識に従って泣いたり、笑ったり、怒ったりする「感情」豊かな生命体は地球人だけかもしれないし、非合理的な「恋愛」で相手を見つけて交配し、種族を保つのも奇妙といえば奇妙な話である。
コロナウイルスや社会生活の多様化によって、益々私たちの社会は複雑化する。。まさに「ポストモダニズム」真っ只中の生活のなかで、本作は再度「人間」とはなんなのかという命題に取り組んでいる。
。。。。。。しかし、「デカダンス(非社会的で、倦怠(けんたい)におぼれた生活をすること)」とはタイトルにしては直訳過ぎるかもしれない。
もうすこし、判りやすいタイトルの方が視聴者が増える気がするのでどうにかならなかったものか。