tag さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ちょっと昭和で、重たい、シュタゲへのアンチテーゼ
タイムリーププロットの良くできた物語。
舞台は昭和末期の北海道、晩冬、そして雪、暗い画面ということもあり、じとっと重たくて。「明るく元気に」を嗜好したい昭和なおじさん的には、少し息苦しさを覚えた物語でもありました。
これが、同じタイムリープのシュタゲの後の作品であること、つまり真似できない。シュタゲは、舞台は平成の秋葉原、盛夏、ギラギラ太陽と、眩しい太陽光と真っ黒の影で構成された画面設定。つまり、ほぼ対称形のこの二つの物語。タイムリープは途中の重苦しさと、解放のコントラストが快感なのだが、舞台設定上、この物語は、全体的に、三段、四段、重めで展開します。
しかも、アトラクタフィールドを回避する定番展開に加え、ミステリーを組み合わせ、重い画面と暗い雰囲気と相まって、息苦しさが倍増、これはこれで”興味深い”物語となっています。
興味深い物語、でももう一度見たいか?と言われると、「重くて」ちょっと食傷気味というのが本音。
物語には、救いがあるのですが、ミステリーと重ねたことで、聴衆はすべてのキャラを疑ってしまう。裏があるのでは?ほんとは悪い奴?はい、致し方ないです。そういうプロットだから。でも、舞台と画面の重さが相まって、どうにも、見ていて辛い。アニメという表現技法は、様々な演出を過剰に引き出す傾向にあります。中庸を表現しにくい。この物語をアニメでやると、おそらく漫画より、重さや暗さは強調される。何しろ動くし、しゃべるので。
タイムリープモノが好きな人にはお勧めです。ただし、楽しむのではなく、浸ってください。