ニワカオヤジ さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
子供を持つ親は見よう。ただしぼろ泣きするから子供とは一緒に見ないように。
主人公おっこが、{netabare}両親を交通事故で亡くしてしまいお婆さんに引き取られ幽霊二人と鬼に出会いちょっとしたすれ違いから若女将をすることになりライバル旅館の真月が意地悪いんだけど最終的に仲良くなり幽霊達とお別れしつつ舞を踊る{/netabare}、という、どう考えても6時間くらいは必要な内容を90分程度の中に詰め込んでおり、話としてはかなり無理があるので、内容がおかしいというレビュワーさんの指摘も当然だとは思います。
おかしいと思われる方は、テレビ版を視聴するとちょうど物語が補完されることでしょう。ただしテレビ版はもっと子供向けなのであんまり面白くないのと、おっこの横顔が猿みたいであんまり可愛くないです。
子供向けの、昔で言うところのいわゆる「マンガ映画」ですが、昔のとは一線を画していると感じたところは、占い師のグローリーさんのメイクでした。
温泉でノーメイクだとあんまり美人じゃないけれど、占い師になったときは妖艶に、おっこと買い物に行くときは今時の美人なお姉さんに変わります。
唇が赤かったら大人の女性、という程度のメイクが多いアニメ界で、ナチュラルメイクで美人に変身するというのは珍しいんじゃないでしょうか。 子供向けでも、特に女児向けなんでしょうね。
●終盤の泣けるシーンについて
おっこは、最初のうちは{netabare}両親の死が急すぎて、何となく生きてるんじゃないかという幻想を抱いるのであまり悲しんでいません。
しかし事故を起こした張本人の告白を聞いて、急に両親の死が現実だと分かって号泣してしまいます。{/netabare}
このシーンは自分でも情けないほどにボロボロ泣いてしまいました。
でもここがお約束過ぎてあんまり泣けないという方もいると思います。おっこが立ち直るのもあっさりし過ぎていたし、おっこの心情に感動したり共感するという意味合いではあんまり泣けない気がします。
映画館で上映されていた頃の評判に、「大人も泣ける」というのがありましたが、まさにその通りで、子供を持つ親が見ると、おっこに自分の子供を投影してしまって泣けるんだと思います。
もし自分達両親が{netabare}不慮の事故で二人とも死んでしまったら、子供はおっこみたいに最初は信じられないだろうし、現実が分かれば号泣してしまうでしょう。おっこみたいに周囲に幽霊もいないし、現実では立ち直るのにはもっと長い時間がかかることでしょう。{/netabare}
そう思うと、絶対に安全運転しようと心に誓いました。
でも実際の子供達とのLINEは、
父:「若女将見たけどめっちゃ良かったで〜。お前らも見るべきや」
子:「ま?」
父:「え?反応それだけかよ?」
子:(既読スルー)
父:「ところで、今日は早く帰れるで〜」
子:「り」
と、そっけない。やっぱ今日も高速道路をぶっ飛ばして帰ってやる。