二足歩行したくない さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
これで空の境界はおしまい
空の境界のサイドストーリー兼アフターストーリーとして書かれた"未来福音"の劇場版。
起源や魔術の類は登場せず、殺戮、殺人鬼も絡みません。
強姦や食人といった過去作ではお馴染みの物騒なワードも現れず、比較的クリーンな作品となっています。
一方で、しっかりとしたバトルの見せ場があり、かわいい女の子も出てくるエンターテイメントした見やすい内容でした。
空の境界らしい伝記的な雰囲気は幾分少なく感じましたが、普通に見やすくて良作だと思います。
"未来視"ができる2人の異なる人物との出会いが描かれます。
黒桐幹也はバス停で、男性に絡む女の子の姿を見つけ声をかけます。
彼女に話を聞くと、その男性がダンプに轢かれると、"なんとなく"思ったとの事で、幹也は男を説得して危機を逃れます。
彼女「瀬尾静音」は、未来が見えると言い、その経緯を騙り始める。
一方、両儀式は偶然顔を目撃したため、爆弾魔に付きまとわれてしまう。
その爆弾魔「倉密メルカ」は不思議なことに、式が偶然立寄った場所にもピンポイントで、時限式爆弾をセットすることができた。
2人の"未来視"は、同じのようで異なる点があったという内容で、時間的には同一ですが、それぞの物語に関連性はありません。
2つの"未来視"の対比として取り上げられているのみと思われます。
過去作に比較すると、幹也はナンパ野郎だし、式はイカれっぷりが中途半端だし、空の境界らしさみたいなものは少なく感じました。
ただ、終わったしまったはずの幹也と式の物語を見れるのは嬉しかったです。
時系列的には俯瞰風景のひと月前となります。
また、ラストでは殺人考察(前)の終盤にあった小話も挟まり、劇場版8部作のキャラクターや出来事も、直接ストーリーに絡まないまでも登場するため、劇場版8部作の視聴は必須です。
また、直接の言及は無いですが、黒桐幹也と両儀式の未来が登場します。
そのため、「ああ空の境界は本作で終わりなんだなあ」ということが感じられる作品でした。
と、言いつつもう一作品あるんですね(おまけのようなものですが)。
続けて視聴予定です。