クドゥナルドシウバ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
女子高生4人が繰り広げる心温まる物語
宇宙よりも遠い場所、略して「よりもい」。作品の名前を聞いたことはあったのですが、ストーリーは良く知らずに見始めました。この作品の見どころをいくつか紹介したいと思います。
この作品は、水瀬いのりさん演じる「キマリ」こと玉木マリをはじめとする4人の女子高生たちが民間の南極観測隊に同行するというお話です。キマリと、花澤香菜さん演じる小淵沢報瀬や井口裕香さん演じる三宅日向、早見沙織さん演じる白石結月の4人が同中に繰り広げるドタバタと、時に泣かせるハートフルなところが見どころです。主役級の女性声優をふんだんに使い、なんとも贅沢です。天然で抜けている所も多いけれど素直で友達思いのキマリ、しっかり者だけど高校を中退したという過去を持つ日向、タレント業で忙しいために友達がいないことをコンプレックスに抱える結月。そして、3年前に南極観測隊に参加し、行方不明となってしまった母を探すために頑張る報瀬。4人それぞれが抱えるものを皆で乗り越え、前を向いて進んでいく様は涙なしには見られません。
さらに、文部科学省、国立極地研究所、海上自衛隊などが全面協力し、練りに練られた南極観測隊の描写も要注目です。観測船や南極基地の外観のみにとどまらず、船や基地の中の生活、南極の恐ろしいほどの寒さ、食べ物、衣服などが非常に詳細に描写されています、越冬隊の暮らしぶりもこの作品を見ればおおよそ知ることが出来ます。南極観測隊のPRという観点からも、この作品は非常に意義深いものだと思いました。
安定した作画、音楽も素晴らしいです。特に、最終話のオーロラは写真かというほど綺麗かつリアルに描かれているので要注目です。
4人の女子高生たちが友情を育み、南極を目指して共同生活を送る中で互いに成長していきます。つらい過去を乗り越え、皆で同じ目標に向かっていく。南極というテーマはユニークですが、ストーリー全体の構造としては王道青春物語と言えるかもしれません。男女の恋愛はほぼ出てきませんが(笑) 若干百合要素が無きにしも非ず。
女子高生と一緒に南極を目指したいそこのあなた、ぜひぜひ「よりもい」を見るべきです。