たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
アンドロイドは「電気羊の夢をみるか」
カート・ヴォネガットJrというSF作家が書いた1959年の小説に「タイタンの妖女」という作品がある。
あらすじ
主人公のマラカイ・コンスタントは、カリフォルニア州ハリウッド生まれの22世紀のアメリカの富豪である。大変な幸運の持ち主で、彼はそれを父親の財産を殖やすことに使ったが、他には彼の人生で大したことはしていない。彼は、地球から火星へ旅し、記憶を消され、火星軍の一兵士として地球との惑星間戦争の準備をする。しかし出陣の際に水星へむかってしまい、そこで3年間を過ごした後、地球に戻って神の不興のしるしとしてさらし者になり、最後には、土星の衛星タイタンで彼の幸運に責任を持つ「ウィンストン・ナイルス・ラムフォード」と会う。
ラムフォード自身はニューイングランドの裕福な家系の出で、個人用の宇宙船を建造するほどの富を持ち、宇宙探検家となる。地球と火星の間を旅している時に、ラムフォードとその飼い犬のカザックを載せた宇宙船は「時間等曲率漏斗」(クロノ・シンクラスティック・インファンディブラム)として知られる現象に飛び込み、ラムフォードとカザックは「量子力学」において波が有する確率と同様な「波動現象」になる。彼らは、太陽からベテルギウスに至る螺旋に沿って存在し、地球のような惑星がその螺旋を横切ると、一時的にその惑星で実体化する。
長門有希というキャラクターを創造したとされる「情報統合思念体」の元ネタはここから来ているだろう。あるいは、アメコミ最高傑作と言われる「ウォッチメン」に出てくる量子力学的ヒーロードクターマンハッタンだろうか。。。
「感情」のない。。あるいは理解できない「ロボット」がより「人間」を理解するために「感情」を知ろうとする。。というテーマはSFの古典中の古典的なテーマであり、「人間」そのもののテーマでもあるのだが、
計算出来ようもない。。途方で、時に全く理屈に合わない行動をするのが「人間」であり、
そのどうしようもない「感情」を表現するのが、「映画」だったり、「音楽」だったりするのです。
人はパンのみに生きるにあらず。。
「人」の複雑さほど解明しようもできない「謎」はないでしょう。