二足歩行したくない さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
もう本作が最終回でいいんじゃないかな
劇場版・空の境界、7作目。
2作目の殺人考察(前)の続編で、本作でほぼ全ての伏線が回収されます。
殺人考察(前)で発生していた連続殺人の犯人、識が死に直死の魔眼を得る切っ掛けとなった交通事故、そして、式と幹也の関係に結論が出るなど、もう本作が最終回でいいんじゃないかなという感じの内容となっています。
4年前の連続猟奇殺人事件が再度発生したというニュースが流れたある日の話。
黒桐幹也は両儀式の誘いで同じ布団で就寝するのですが、その日を境に式は幹也の前から姿を消す。
依然として続く殺人事件に式の身を案じた幹也は、独自に調査を行う。
犯人は着物の女性だったという証言を聞きながらも、それでも式を信じ続ける幹也と、自分の内なる衝動と葛藤する式の物語です。
ただ殺すだけではなく食人シーンがあり、ビジュアル的な衝撃が強い作品だと思います。
殺した死体を"食べている"というのが明確で、これがOKで、忘却録音がオリジナル展開ほぼカットになった意味がわからない程でした。
尺は2時間あり、劇場版としては普通ですが、空の境界の中では長尺の部類ですね。
バトルシーンが多く、特に本作はナイフ対ナイフで人外の動きをしながら切り合うシーンが多々あります。
目の離せない展開が多かったように思いました。
一方で、中間は結構中弛みがあり、退屈を感じることもありました。
後半頃から面白くなってきます。
式が組み伏せられて全身唾液でびちゃびちゃにされるシーンがあるのですが、唾液量が多すぎて汚い感じなのが残念でした。
どうせならもっとサービスシーンにしてくれたらいいのにと思いましたが、空の境界にそういうのはつくづく期待できないんだなと少し安心したりしました。
展開は分かりやすい方だと思います。
ただ、理解しながら見ないと、4年前の連続殺人は結局誰の仕業だったか、本作でもちょっとだけ出る荒耶宗蓮が何をしたかったかなど、重要な部分を十分な説明なくさらっと匂わせて先に進むので、不明点が後で出てきそうです。
バトルと、幹也にデレる式が見れたら満足という層は問題ないと思いますが、過去作を踏まえて追う必要がある内容です。
次回作で最終回ですね。
後は幸せなキスをして終わるだけな気がしますが、次回作も楽しみです。