退会済のユーザー さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:途中で断念した
適応のトライアル
カラーズの3人を愛でるだけの日常系。
きらら系のような品行方正で善良なキャラだけのファンタジー世界ではない。子供特有の奔放で不適応な言動や行動の数々に賛否が別れる作風。カラーズの3人はいかにも低学年の悪ガキの様な造形。だからこそキャラデザインはマンガ的なデフォルメは弱く調整している様に見える。だがキャラクターのパワーにより3人の性格や関係性は直ぐに掴めてしまう。クール&キュート&パッションのトリオはセオリー通り抜群の安定感。
考慮するべき社会の規範など存在しない狭い世界に生きる彼女達。自分達の想像する範囲の中で街を、時には人類を守ろうと鼻息を荒くするカラーズ。それを暖かく見守る周囲の大人達との生温い空気感に癒やされ、3人のアホな行動にニヤリとさせられる作品。
「この池は臭くていいんだよ」
大人からすればどうでもいい遊びの中で、哲学的とも言えなくもないこういう気付きに出会うシーンはとても好きです。こういうものは自らの意志でやり切るまで行動しなければ得られない。なんでも制止されたり先導されたりして大人のペースで適応させられていく環境では得られないもの。させられる"体験"ではなく血肉となる"経験"こそが発達段階の子供の成長に不可欠であることがしょうもないやりとりの中でサラッと表現される。大人がセリフで説明するのではなく、カラーズの3人が自分の範疇で行動しながら他人や社会との境界を知ってゆく。境界線に触れなければ、そこからはみ出さなければ、その位置を知ることは出来ない。
他者を変える事は出来ない。
自分の行動を変えるのみ。
池のエピソードで示されたこの気付きを成長期に取りこぼした大人は少なくない。そして私もまたこの作品に対してこの教訓を実感する。
人の頭を踏みつける、特に子供がそれをやる描写は非常に許し難い。アーチに登るなどの危険行為も。あの描写は個人的に許せる範囲を余裕で超えている。子供なんだからではない。子供だからこそだ。
だがそれ以外は素晴らしいこの作品に文句をつけることはしない。あの描写を好意的に捉える方もいるのかもしれない。子持ちでなければ笑えるのかもしれない。でも私は許す事は出来ない。だから私の選択は一つ。撤退あるのみです。
みんな好きだった。カラーズも。サイトウも。オヤジも。特にオヤジが3人の事を「カラーズ」と呼んでいるところは3人に向き合って認めているようで凄く好きでした。
誰が、何が悪いわけでもない。合わなかっただけ。ただのミスマッチ。残念です。