くろゆき* さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
描くのに時間がかかる市街地などの背景はすぐに爆破(もしくは登場人物を荒野に移動)させる
「ドラゴンボールGT」のテレビスペシャルです。
なんだろう、これは所謂、「テレビの前のちびっ子たち(のような悟空Jr.)に悟空が勇気を与えに来る」という意味を込めたスペシャルなんですかね。なんだかラストがそれっぽくもあるけど、でもやっぱり話はサイヤ人に限定されるようにも思えてなりませんが…。
というわけで、個人的には「ドラゴンボールGT」はマイナス評価なんですが、これはそこまでひどくはないかなぁという印象です。今作の時代は、悟空もベジータもみんな普通に死んでる100年くらい後のDB世界らしいんですが、パンは存命で、悟空Jr.とかいうよわむしな玄孫がいるんですね。
バーダックがワイルド、ラディッツが噛ませ犬、悟空が無邪気で陽気、悟飯が真面目なお坊ちゃん、悟天が天真爛漫、パンが強気な女の子…という系図になってる中で、悟空Jr.は「弱虫で泣き虫のいじめられっこ」なんですね。
カカロットの方の悟空がおそらく難なく倒せるようなパオズ山の怪獣にも苦戦。初期の悟飯みたいなレベルのまんま育っちゃったという感じですが、やっぱりちょっとした事でスーパーサイヤ人に覚醒するだけの潜在能力は持ってるみたいですね。
まあ、物語が「パオズ山」に帰って来たのは嬉しい反面寂しいという感じですよね。
GTの最終回が持つあの寂しさとか切なさとかがこの時点でも醸し出されていたような感じはあります。いくらあの世があるとはいえ、みんな死んじゃってるわけで、悟空の生家も時の流れとともに廃墟と化してるわけですからねぇ…。
悟空と悟飯じいちゃんが暮らしたあの家が、既にもうボロボロなのはやはり寂しい。諸行無常なり。
何度も地球が壊れているので、この家も実際には何度も壊れているんだけど、強敵の襲来もなく、平和の中で崩れ去っていったというのがポイント。
ちなみに、この悟空Jr.は、最終回で天下一武道会に出場し、そこでベジータJr.と対戦する事になります。
ベジータJr.は初対面で、どうやら孫悟空・チチ・サタンの家系と、ベジータ・ブルマたちの家系はそこまでに交流が途絶えていた模様です。GTでは兄妹のように親しかったトランクスとパンが良い仲になる事もなかったんですね。
長い時を隔て、悟空の血を引く者とベジータ(あるいはブルマ)の血を引く者が、再び出会い、新たな物語がこの先始まっていく…というのが〆なんです。切っても切れない縁なんでしょうね。1000年経ってもまた出会うんじゃないかという気が。
つーか、亀仙人とか占いババとかウミガメなんかは実はまだ生きてますよね、多分。「もういない」とは言っても、いちいち言うのがめんどくさいから除外されてるだけで。
でもブラとかは死んじゃったんですかね?
退屈な場面とかも結構あって、なんだかなぁという感じでした。GTの原点回帰は何故か退屈さが入ってきちゃうんですよね。鳥山明独特のセンスあってこその「ドラゴンボール」の初期のギャグ路線が面白かったと言えるんじゃないかと。
悟空が悟空Jr.に言葉をかけるシーンなんかも好きでしたねぇ。一番良かったのは、やっぱりあそこです。