稲葉姫子 さんの感想・評価
2.7
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:----
世紀(オリンピック級)のヘンテコアニメ・脚本の問題
湯浅政明監督がどうしてこんな謎のアニメを作ったのかずっと考えていましたが、ああただ脚本がヘンテコなだけであったと納得しました。かって映画評論家の故・淀川長治さんは、映画は①脚本②監督③俳優の順で決まると言われたそうです。アニメも同じなのかもしれません。
この日本沈没2020の脚本を書いた吉高寿男さんは初めて見る名前です。ウイキペディアで見ると、アニメ関係の人というよりも、お笑い関係です。ああなるほど、日本沈没2020のご都合主義、脈絡もない展開などの一連のツッコミどころは、「笑い」をとっているのだということでしょう。ここで納得です。
湯浅政明監督のいままでの作品は監督自身が脚本を書くか、ちゃんとした脚本家・シナリオライターが書いていました。たとえば「映像研には手を出すな!」は、「Dr.STONE 」などのシリーズ構成・脚本(全話)をされた木戸雄一郎さんです。でも、今回は笑いの吉高寿男さんです。吉高寿男さんを使ったのは、Netflixの意向か誰の差し金かわかりません。
前振りが長くなりすぎましたが、この作品は第2話トウキョーサヨナラのラストシーンで私の頭が飛んでしまいました。いくら5〜6メートル下からでも見つかることがある不発弾でも、たった1度の山芋掘りでそれを当ててしまうことなんてないでしょう。地震と全く関係ないことですし。ああ、父親を殺したい、間引きしたいというご都合でそうなったでしょうか。
第3話マイオリタキボウでYoutuberが毒ガスの注意発起にどこからともなく突然現れたかと思うと、近所のお姉さんがまた無意味に間引きされます。もう、前回のことがあるので驚きもしませんでした。この麻痺してくる感覚はますますその後に増長されることになります。人の死に何も思わなくなるのです。何が起きても「あり」なんだになります。
全10話見終わった時に、私がいままで培ってきた感覚、アニメに対する想いが破壊されていったように感じました。
ああすごいなあ
私は大好きな「君の膵臓を食べたい」の円盤をひっぱり出して、頭の修繕を行いました。