剣道部 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「自」らの「分」をわきまえず、生きる実感を「勝」ち取るためにその「手」を伸ばせ、バグ達よ。
[文量→中盛り・内容→感想系]
【総括】
アニオリ作品。ジャンルは、SF、アクション。
久々に本格派のSF。個人的には、「シドニアの騎士」「メイドインアビス」「宝石の国」「正解するカド」などと同じような温度感を感じた(内容や作風、クオリティに差はあっても)。
それは、「世界をきちんと創造しよう」という姿勢。私はそれが、SFの魂だと思っています。
かなり尖った作品で、好みは分かれそうだけど、私は好きです。
レビュータイトルは、本作の人物(バグ)達が、みんな「自分勝手」に生きているのに、どこか眩しい存在だったので、こんな言葉遊びにしてみました♪
レビューでは、ラストの展開を中心に、書きたいと思います。
《以下ネタバレ》
【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作、世界観は少し複雑ながらも、内包するテーマはシンプルで分かりやすい。それは、OPの歌詞を読めばよく分かる。
「生きている、ただその実感が欲しかった。(中略)未完成の地図なんて頼らず破り捨てて、響くエラー音振り払って向かおう。(中略)間違いを指摘する人は放っとおいて、君ともっともっともっと先へ、見たことない景色を見ようよ。(中略)偽ることのできないこの想いこそが、この人生だ」
、、、もうこれ以上、書く必要がない気がする(笑)
「バグ(異分子)は、誰の目線(基準)から見るかで変わる」ことや、「科学技術がいきすぎた先の世界」「運営の絶対性」など、書きたいことは多いのだけれど、いつものごとく長くなってしまうので、1つに絞ります(笑)
私が興味深く思ったのは、「世界の主役たるサイボーグは生きる意味を探していて」、「世界に取り残されている人間は生きる術を探している」という、互いに満たされない存在であること。
そんな両者が、「ナツメはカブラギから生きる術を学び」「カブラギはナツメがら生きる意味を学んでいく」という、「互いに補完しあう関係」だったのは面白い。
「共生」
というのは本作で大事にしていたことだと思う。
ラストは、まさにそんな展開になった。
疑問に思ったことは、「なぜシステムは、ジルやミナトの行動を黙認しているのか」ということだが、これは、最終話で明かされた「システムの真意ではバグの存在は認められている」という、システム本人の言葉がヒントになると思う。
システムは、「進化や成長には、バグは有用であり、より良い世界に近づくためには利用もする」という、どこか宗教じみた、運命論者のような視点を持っている。「好き嫌い」ではなく、「合理性」で動くのがシステム。
であるから、自らが下した「空間圧縮」という方法以上の結果(カブダンスによるオメガの殲滅)を成したカブラギ達を、「自ら(システム)より有用」と認めたのではないだろうか(あくまで合理的な判断として)。
ちょっと言いすぎれば、「世界にとっては自ら(システム)がバグ」だと、認識を改めたかもしれない。
よって、「まずは静観」しているのだろう。ただ、その結果がやはりシステムとして許容できなければ、再び牙を剥くのかもしれない。
全ては、ナツメやジルなどバグ達の、今後の生き方次第ということか。
ラストシーンは、ご都合主義的な部分もあるけれど、救いのあるハッピーエンド。私は、こういう「ベタだけど幸せになる終わり方」が好きだ。
つまりはまあ、この作品は、「モンハンに飽きて、あつ森を始めた話」ということである(なんじゃそりゃ)w
{/netabare}
【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
独特の世界観と作画。宿敵であるガドルと、ある意味共生関係にあるのが面白い。バグ? 作画もよく動くし、久々に骨太のSFになるかな?
2話目 ☆4
ゲームの世界。しかし、人間にとってはリアルの世界。いや、プレイヤーは機械? 新たな人類? 世界の真実と、ナツメの真実。2つの軸があるか。
3話目 ☆4
修行パートがちゃんとあるのは良いね。それは武器だ。
4話目 ☆4
バグが世界を変える。まあ、イベントなんて、運営次第だもんな。
5話目 ☆5
しっかし、必殺技がロケットパンチってのがな。新ステージ。運営がその気になれば、無敵だもんな。
6話目 ☆4
ドラッグ? 非人道的な取り調べ。強くてNEW GAME
7話目 ☆4
なんか色々、胸熱な展開になってきた。
8話目 ☆4
裏切り、だよな~。
9話目 ☆5
クソにまみれてる、という比喩。メガンテ、熱い。
10話目 ☆4
あのガドル、サイボーグに寄生? ナツメ、闇堕ち? 束の間の平和。ただ、デカダンスの文明、食料はガドルに依存してるからな~。本物の化け物が生まれる。行きすぎた科学技術。これだって、運営からすれば、テロリスト。
11話目 ☆4
バグガドル。人間の命より、システム。当たり前か。デガダンスになる。サイボーグに、自我がある時点でこうなるわな。
12話目 ☆4
パーティー。分かる気がする。システムはバグを許容している。すげぇ考え方だな。バグは、伊達じゃない(笑) 熱い、救いがあるラスト。まあつまり、「あつ森」になったのね(笑)
{/netabare}