くろゆき* さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 2.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
27歳の私は、 15歳のころの私より少しも賢くない。
途中まではここでなら迷わず好評系をつけられたほどでした。映像はハイクオリティ
でしたね。まず。甲州街道(国道20号)とか街の風景等良く丁寧に描き込まれていて、
本作を象徴していた雨も、降りしきる様子等かなりリアリティを追求していて、
思わずその場に惹きこまれた様なオーラがありました。これは終始文句なしでした。
靴職人志望だった主人公の孝雄は雨の日には最初の授業をサボる癖があって、
ヒロインだった雪野と度々出会う事になったのですが、万葉集のあの短歌は繊細な
美しさとか感じられた名歌だった事をそうした雨の風景故に余計改めて認識させ
られたし・・・・・・・・・・また声優の花澤香菜氏の演技自体も、声は変わらなく
とも抑揚の付け方でミステリアスな雰囲気は十分に出せていました。彼女を
選んだ人の、人を見る目は確かにあったのでしょうね。
それだけに・・・・・・・・・孝雄も家庭環境は良かったとは言い難く、彼の方は
それほど深刻には描かれてなかったと思いきや、その雪野の方が・・・・・・・・
終盤孝雄と雪野はお互い包み隠さず、本音を吐露し合った(前者は相手の立場を
考えない、やや一方的な非難じみたものに感じられないでもなかったけど)のは
良かったのですが、それだけに教師だった彼女を退職に追い込んだあのごじゃっぺな
連中もあの後ものうのうとしていたであろう事を思うと、やるせないものもあり
ましたね・・・・・・・・まあ孝雄もそんな凄い痛めつけられたほどでもなく、
その後も嫌がらせを受け続けていたわけでもなかった事も伺えましたが、せめて
こいつらに何らかの報いも受けさせてほしかったですね。
実家に帰った事も雪野は孝雄に手紙も出していた様で、もうあんな嫌な事は
さっさと忘れて欲しいとも心から思った。そしてあの挿入歌も孝雄の心情を
良く表した歌で、適切な選曲だったのですが・・・・・・・・・・・・・
凡作じゃないのは分かりますが、簡単に言ってしまえば評価は映像と花澤氏の演技だけの評価といっても過言ではないのかもしれない。