くろゆき* さんの感想・評価
2.5
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 1.0
音楽 : 1.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
なんにでも最初はあるさ
なんとも不思議で独特な世界観の作品であると思いました。
主人公のくんちゃんに妹・未来ができ、両親からの愛情を奪われる形になってしまった、そんな状況でストーリーが進んでいきます。
くんちゃんの嫉妬心は理解できますし、子育ての大変さが良く分かる描写なども随所に散りばめられていて、なかなか考えさせられるものがありました。
未来からやってきた少し大人びた妹・未来との邂逅が大きなターニングポイントとなってストーリーが進行していきます。
くんちゃんと未来の会話シーンがテンポが良くて好印象でした。
くんちゃんが現実と別の不思議な世界を行き来し、過去の両親や身近な人々の生活や思いに触れることで少しづつ自分と周囲の状況を見つめ直し、成長していく過程の心情描写が上手く描かれていて良かったと思います。
未来から来た妹・未来の出番をもう少し増やして欲しいとは思いましたが、各キャラクター個別の存在感を高めるような構成となっていて、その点も好感が持てました。
各キャラクターの演技も良く、作画もリアリティーがあって細部まで作り込まれていて世界観に深みを持たせていたと思いました。
ストーリー展開も明快で解りやすかったですし、先が気になる構成も一貫しており、好感が持てました。
不満点は、主人公・くんちゃんの4歳という幼さからくる態度や甘えの描写がやや多いと感じた点です。
すぐに癇癪を起して周囲の人や物に当たり散らしたり、泣き喚く姿は観ていてあまりいいものではありませんでした。
ストーリーに一貫性があり、考えさせられる描写も多く、手堅く纏まった作品であると思いましたが、前述した不満点をマイナス要因として、物語評価はこの点数をつけさせていただきました。