遊微々 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
名前とは、自分と他者を繋ぐものなのです
現在絶賛リバイバル上映中の言わずと知れたジブリ作品、劇場で見られる機会があるなら当然行くっしょ!
ということで『もののけ姫』と一緒に見てまいりました。
実を言うと千と千尋を見るのは15年ぶりくらい。小学生の時を最後に見てなかったので内容かなり忘れておりました。
だからこそより新鮮に見ることができ、「あー、あったなここ」と懐かしむ場面もあれば、「あ、こういう見方もあったんだ」と新しい発見をするところもあり、非常に楽しんで見れました。
内容は今さら言うまでもないのですが、簡単に言ってしまえば花いろに神話要素ぶっ込んだような内容。
普通こんなことしたどっちつかずの中途半端な内容になってしまいそうなのですが(新〇誠作品みたいな)、2時間と言う時間の中でその両方を綺麗にまとめ上げているその構成力は改めて宮崎駿という人物がいかに化物じみたクリエイターであるかということを思い知らされます。
ラピュタのボーイミーツガール要素と魔女宅の少女の成長物語要素を併せた王道の物語展開。
トトロの民俗学的な見地を彷彿させるしっかりとした神話に対するアプローチ。
平成狸合戦やもののけ姫でも扱った現在の日本が抱える闇(途中で川の神が吐き出した大量のゴミから見て取れる環境問題、カオナシのキャラクターから見てとれる他者と上手く関われない若者)を暗喩した圧倒的メッセージ性。
それでいてファミリー層もしっかりと楽しむことができるコミカルなキャラクターと描写。
何よりとても2001年とは思えない圧巻のアニメーションクオリティ。
ジブリのこれまでをつぎ込んだ集大成のような作品で、邦画市場歴代最高の興行収入を叩き出したのも納得と言えるでしょう。
何よりもこの年になって劇場で見れたのが嬉しいです。コロナ禍で世間は揺れていますが、正直これは嬉しい誤算でした。
今回を機に名作は定期的にリバイバル上映していただきたいものです。
(ダークナイトの4DX上映も見てきましたが迫力凄かったです。来週からパトレイバーの4DX上映も始まるので見に行きます。)