ブラッキー さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
全員幸せになる物語
悪役令嬢カタリナは元々わがままなお嬢様で、そのわがままさによってゲーム本来の主人公であるマリアをいじめぬくが、婚約者であるジオルドまたは義理の弟であるキースに裏切られてよくて国外追放、悪くて死亡というどういっても破滅するキャラクターです。
一話ではまずその彼女の傲慢さが描かれます。彼女はその性格から気に入らない召使をすぐに首にしようとします。召使は毎度の彼女の傲慢さに呆れます。ある時、彼女の父親を訪ねて家に来たジオルド(彼女の家は貴族の中でも特に位が高い方です)に引っ付こうとしたところ、うっかりつまづいて転んでしまいます。転んだ際に頭を打ったのですが、その瞬間突如記憶がよみがえりました。カタリナは元々日本でかなりやんちゃで乙女ゲームが大好きなごく普通の高校生。最近ではFORTUNELOVERというゲームにはまっています。そんな彼女はある日、道路に飛び出したところをトラックにひかれてなくなります。なろう特有のあれですね。
そして、カタリナは自分がゲームの悪役令嬢であることを知ります。前世を思い出したカタリナにジオルドはイケメンの子供という認識ですでに恋心などはありませんが、頭をぶつけた時にできた傷が将来婚姻に影響する可能性があるとのことでジオルドと婚約することとなりました。
それはともあれカタリナは破滅フラグを回避するために自らの魔法や剣の腕を鍛えることにしました。魔法の方ですが、この世界には少数の者が魔法を使うことができ(貴族に多いです)ごく一部の属性を除き、一人一つの属性の魔法を使うことができます。カタリナの場合は一番使える人の多い土属性です。この時、なろうだとゴーレムを作るとかなりできそうですが彼女の場合は土凹を数センチだけ作ることができるだけです。はっきり言って才能ありません。なのでとりあえず魔法の腕を上げることから始めます。まあその方法が畑作業なのは正直笑いましたね。実際この世界でも畑仕事しても魔法の腕は上がらないようですし
そんなカタリナを見てジオルドはカタリナに興味を持ちます。といってもよくわかりませんがどうして惚れたのかはボイスドラマを見ればわかります。簡単に言えば、今まで見たことないタイプだからですかね。
この時点でカタリナは無意識のうちにジオルドを攻略してしまいましたが、カタリナはそんなことに気づくこともなく…といった感じになっていきますが。
この後も、カタリナの義弟となった魔力の強さゆえに周りにさけられており自己肯定感が少なかったがカタリナに実の兄弟のように大切にされたために自分に自信を持つことができたキース、腹違いの姉妹からいじめられて卑屈だったが、カタリナに自分の特技を認めてもらえたことで彼女と肩を並べられるように頑張ろうと決意したメアリ、ジオルドの双子の弟で優秀である者のジオルドに能力が劣っているため、自己肯定感が持てないでいたところ、カタリナに自分が音楽という面においてはジオルドに勝てることを教えてもらったことで自信を持つことができたアラン、ロマンス小説(乙女系の携帯小説くらいに思っておけばいい)好きなアルビノのような特徴を持っているせいで周りから差別されていたが、自身の髪をカタリナにキレイといってもらえたことがきっかけで自分に自信を持つことができたソフィア、自分は家族といられて幸せなのに家族にアルビノっぽい人間がいるせいで憐れんでみられているなか、家族が本当に幸せであることをカタリナが見抜いたことで自信が救われたニコルといった具合に。ジオルド同様、詳しいところを知りたい人はボイスドラマを参照。
まあ、簡単に言えば、人たらしなんです。男女関係なく誑し込んじゃうんですよね。
そして、それはゲームの主人公でさえも落としてしまいます。マリア平民でありながら魔力それも珍しい光の魔力を持つがゆえに家庭が崩壊、それをどうにかしようと努力するもののそれは自身が特別な魔力を持っているからだと言われ続け、魔法学校でも貴族たちにいじめられていたところをカタリナが自身の努力を評価してくれたことで自分の努力に意味を見出すことができました。他の悪役令嬢ものだと主人公を蹴落としてざまあとするところですからすごいですね。
この後数話の日常回を挟んだ後に、カタリナの断罪イベントが発生しましたが、それもカタリナハーレム要因によって突破。そこから闇の魔力を持つものの存在、またFORTUNELOVERにおいての隠しキャラの存在をカタリナは思い出します。その隠しキャラは闇の魔力を持っており、BAD ENDだと仲間はみんな死んでしまうそうです。そんな隠しキャラが会長ではないかと気づいたカタリナは会長に追及します。会長はそれを肯定するものの、カタリナは会長が寂しそうにしているのを気づき、それを救おうとしますが、それに対して激高した会長が魔法でカタリナを眠らせてしまいます。ハーレム要因は自分たちが救われたことに改めて思いをはせ、カタリナを救おうと必死でカタリナに声を掛けます。その中でソフィにカタリナのところに行くように説得する謎の人物が。ソフィがカタリナの基へ向かうとその人物はカタリナを起こすから待っててと言ってどこかへ行ってしまいます。
カタリナは夢を見ていました。それは前世の時に過ごしていた日常です。転生した記憶は消えているようです。しかし、ソフィアの前世でありカタリナの前世の親友であるあっちゃんによってカタリナは自分が今何をすべきか思い出します。大好きな家族や友達がいるこの世界、しかし今いるべき世界はここじゃない。カタリナは自分のいるべき世界へと帰る決意をします。そこであっちゃんに会長の本名や断罪イベント直後に行方不明となっていたマリアの居場所を教えてもらいます。これは前世でろくな人生を送ってないから転生して幸せになっているそんじょそこらのなろうとは違うからこそできることですね。何回見ても泣けてきます。このシーンが来るとわかっててもうるんでくるんですよね。いや、わかってるからこそですかね。あっちゃんと楽しい思い出がたくさんある。しかし、突然死んでしまったことで親友にお礼を言えなかったカタリナはこの時に親友に対してありったけの思いを告白します。だからカタソフィは尊いんですよね。マリアとのカップリングもいいですけど私は断然カタソフィ派ですね。尊みにおいてはかなわないと思うんですよね。
私の推しはとりあえず置いといて目覚めたカタリナは最終イベントのために会長のところへと向かいます。そこで会長がなぜ別人として生活しているのかが明らかになります。それは、母親を殺したものに対する復習をするためでした。人たらしであるカタリナを疎ましく思ったのはそれが偽善のように見えたから。そんな会長にカタリナはあなたは優しい人だと言います。自分を昏睡状態にして殺そうとした会長に対しても本当に殺す気ならその魔力でもっと効率のいい殺し方を実行できたはずだとカタリナは語り、会長は自らの本当の想いに気づきます。母親はそんなことを望んでなかったことも気づきます。会長は母親を殺したものに対して復讐することをやめ、大人しくお縄につきます。
その後、会長は卒業式こそできなかったものの元々の魔法能力の高さを見込まれて無事魔法省という魔法学校の運営機関に就職することができ、またカタリナハーレム要因が増えました。その後、卒業パーティーというマリアが誰かに告白するイベントがありますが、マリアはカタリナに告白します。その後に他のハーレム要因にも同様の告白をカタリナは受け、チャンチャンとなります。
正直これ、二巻しか使ってないんですよね。だからこそ、12話だと釈が多すぎたため、日常回を数話使って補填しましたが、出来のいい買いもありますが中には今ひとつな回もありましたからこの原作ボリュームが問題点だったりするんですよね。
しかし、全体的にいい原作がいいアニメスタッフに恵まれて素晴らしいクオリティに仕上がっているというのが総評です。今期の中でも相当評価の高い部類に入りましたね。なろうはGMの山ですがたまにこういった宝石が埋まってますよね。
二期も決定しましたがそちらは本来二巻で終わらせる予定のものを引き延ばしているため、賛否が若干分かれている印象があります。しかし、ある程度のクオリティは担保できそうなので二期もある程度は期待していいのではと思っています。