Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
歌人啄木、謎を詠む。
この作品の原作は未読です。
ここのところ、文豪や歌人を題材にした作品が多いと思っているのは私だけでしょうか。
まぁ、異能の力が出てこない分だけ、かなり現実寄りな作品だとは思いましたけれど…
石川啄木×金田一京助、
史上最も"文学的"探偵(バディ)、ここに誕生!
時は明治の末…
金欠に苦しむ天才歌人・石川啄木は、とある殺人事件をきっかけに
下宿で探偵稼業を始めることに。その名も「啄木鳥探偵處」。
「浅草十二階の幽霊騒動」「雪降る夜に街を徘徊する人食い人形」…
奇怪な事件に次々と首を突っ込む啄木の助手を務めるのは、
同郷の先輩・金田一京助。
文士仲間の野村胡堂、吉井勇、萩原朔太郎、若山牧水らを巻き込んで、
人たらしの天才歌人・石川啄木が文明開化の東京を駆け抜ける!
公式HPの作品解説を引用させて頂きました。
原作によると、石川啄木は上京してきた妻と母親を養うために探偵業を始めたんだそうですが、本作品では石川啄木の身内は影さえ見ることができませんでした。
それに石川啄木と金田一京助が同じところに下宿している設定も原作には無いようです。
何故石川啄木の設定を原作から改変したのでしょう…
浪費癖と女癖…これはお世辞にも褒められたモノではありませんでした。
生き方が決して上手ではないという感じがあったかもしれません。
それで金田一京助の腰巾着みたいな生活をせざるを得なかった…
ですが、遊びながらも事件の真相にちゃんと近づいている展開はお見事…
あくまで私見ですが、一見自堕落な私生活と探偵業との間に啄木なりのギャップを持たせたかったからではないでしょうか。
きっと、その方がより探偵部分が華やかになるから…
だから啄木の身内が出てこなかったのは、彼をより自堕落に描きたかったからではないでしょうか。
だって、この作品における啄木の言動…身内がいたら絶対踏み込めませんから…
金田一と啄木が同郷という設定は史実通りのようです。
金田一は啄木の学校の3年先輩で、10年後には宮沢賢治が同じ学校に入学したんだそうです。
しかも、金田一と啄木が親友同士なのも有名な話なんだそうです。
私はこの作品を視聴して初めて知りましたけれど…^^;
ほぼ同じ時期に3人もの著名人を輩出するなんて、盛岡凄いじゃありませんか。
そういえば、この作品を視聴している際、何度かドキッとしたことはありませんでしたか?
私は何度かドキッとしたのですが、それは特定の単語に対する反応…
その特定の単語は「ミルクホール」。
もう、お気付きの方もいらっしゃると思いますが、同じ20年の春アニメとして放送された「イエスタディをうたって」でヒロインのハルがバイトしていたお店と名前が一緒なんですよね。
まさか、ハルのバイトしていたお店って明治時代から続いていたお店だったとか…!?
それならそれでビックリなんですけどね^^;
26年という短すぎる人生を駆け抜けた石川啄木…
彼の歌人としての類い稀なる才能が感じられる本作品…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、古川慎さんの「本日モ誠ニ晴天也」
エンディングテーマは、NOW ON AIRさんの「ゴンドラの唄」
個人的にはエンディングの方が好みだったかな^^
1クール全12話の物語でした。
完走して振り返ってみると、文豪らに異能力が無くても十分堪能できることを教えて貰った作品になりました。