二足歩行したくない さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
一作目よりさらに目の細かいふるい
空の境界 第二章。
一作目から見ると過去の話になります。
空の境界は各章で時間が違っていて、本作は全8作あるシリーズのうち、時系列的には一番過去の物語となります。
黒桐幹也と両儀式が同じ高校に入学する。
人を寄せつけない雰囲気の式に幹也は何となく惹かれてゆく。
一方で、街では猟奇的な連続殺人事件が発生し、暗い雰囲気が漂う。
相変わらず独特の雰囲気の作品です。
私服登校の学校のようなのですが、着物に赤いジャケットをユニフォームにする式の出で立ちは、それだけでまともな学園モノではない空気を醸します。
古い大きな名家、ひとつの肉体に宿るふたつの心、近づきがたい女性にややもするとナンパとも取れるほどしつこく絡む主人公と、よくある展開といえばそうなのですが、異なるのは式が単なるツンデレではなくガチでヤバいやつという点ですね。
連続殺人の犯人は誰で、目的は何なのかというところの解(正解かはさておき)は出ていますが、これで納得していいのか、そもそも人が酷く殺されるが、それは本作においてはどうでも良い一種の記号なのか。
一作目で結構ふるいにかけたような気がしましたが、二作目はさらに目の細かいふるいが準備されていたような印象を受けました。
独特な間やわかりにくいシナリオ、厨二心が前面に出た香ばしい内容に拒否反応を受ける方にはおすすめできない作品だと思います。
なお、タイトルに(前)とある通り、(後)もあります。
ただ(後)は、(前)より大分未来の話となっており、(前)が1995年9月、(後)は1999年2月の話で、第1章の俯瞰風景もその間の話。
(後)は第7章です。
(前)の正しい解は後のお楽しみで、それを見るには先にその間に起きたあれこれを見るべしということなのでしょうか。
であれば、この殺人考察こそが、空の境界でメインとなるストーリーなのであろうと思います。