ねっち さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
正直点数なんてつけたくない
まず初めに、僕の中でこの作品よりおもしろい作品はないと思います。ていうかこの作品に対しておもしろいとかいう表現は陳腐です。このレビューを見てくださっている方でこの作品を見た事がない、という方はこんなレビューなんぞ見ずに今すぐこの世界の片隅にを見てきてください。
この作品のジャンルは「日常もの」です。たまたま戦争のある時代に生まれたなんでもない普通の女の子の日常を描いた作品です。そもそも僕は戦争を題材にしているというだけで見る気が失せてしまうほど戦争を描いた作品に抵抗があります。この作品も例外ではありませんでした。
見る前までは。
戦争だからといって常に不幸で陰鬱な空気ではありません。彼女たちはふとしたことで笑うし、たわいのない会話もします。この作品は戦争というものを感じさせないのです。しかし、中盤あたりから戦争というものが徐々に、ほんとうに徐々に現実味を帯びてくるのです。そしてすずさんは、小さな女の子と自分の右腕を失くしてしまいます。簡単に。そこからは皆さんも知っているとおりの結末を迎えます。広島と長崎に原爆が投下され、日本は敗戦します。すずさんは大切な家族を亡くしてしまいます。それでも、それでも彼女たちは生きてゆかないといけないのです。
この作品を見終わって、僕は久しぶりに虚無感を感じました。この作品を噛み砕こうと思っても噛み砕けないのです。頭の中で整理できない。飲み込めないのです。
この作品を超えるアニメが今後あるんだろうか、、、