二足歩行したくない さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
わかりにくいを厭う人には薦められない作品
Fate/stay nightで有名なTYPE-MOON代表の奈須きのこが、同人で書いていた小説が原作。
私は月姫から入ったので、本作は講談社ノベルスで読みました。
2回くらいは読み返しているはずなのですが、最後に読んだのが上京直後の夏のコインランドリーでのことで、少なくとも10年以上は前。
内容は当然さっぱり忘れているので、改めてアニメで振り返ってみました。
原作は、同人小説なのに京極堂もビックリの文章量があり、アニメの本作も劇場版作品でありながら全8部作という豪気な作りになっています。
とりあえず一作目をみましたが、原作の独特な雰囲気を壊しておらず、非常にうまいと感じました。
作中には、日本映画のような間があり、雰囲気は終始暗くて、萌えやぷにの存在しない鉄火なアニメなのですが、情報量が多く、独特なキャラの応酬は引き込まれるものがありました。
ただ、結局のところこのアニメで描かれているものは何だったのかとというと、答えは明言されておらず、"だったのだ"で納得せざるを得ない部分があるため、わかりにくいを厭う人には薦められない作品です。
作中の時代は1998年の9月。
ある廃ビルでの少女の飛び降り自殺が連日ニュースを賑わしていた。
主人公の両儀式は、そのビルで浮遊する少女たちを目撃する。
そんなある日、式の友人である黒桐幹也は、そのビルに近づいた日を境に昏睡状態に陥ってしまう。
眠り続ける幹也を取り戻すため、式は再びビルに赴くというストーリー。
本作で一応完結していて、続きはあるのですが、次に続くような終わり方では無いです。
ただ、一作だけだと全体を切り取った一部であるかのような、それまでとこれからが示唆されながらもその中のひとつの物語を見せられているような、不完全燃焼に感じられることと思います。
私的には、一作目である本作が非常に満足なできだったため、二作目以降も楽しみです。