take_0(ゼロ) さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
SHIROBAKOの一つ手前のお話・・・。
さすが某NHKがからむとしっかりとした作りになるなぁ(原作は未読)。
第一印象は、クセのあるキャラ(絵、声≒主に浅草氏、金森氏)やなぁ、だった。
そもそも、浅草氏は男性だとばかり・・・w
物語は、アニメ好きの3人の女子高生(実際は2人+1かもね)が同好会を作り、アニメを作るために、なんやかんやの努力を重ねていくというもの。
想像力豊かで、設定好き、だけどコミュ障ちっくな「浅草みどり」
ニヒルで、アニメにはあまり興味のない、お金大好き「金森さやか」
カリスマモデルとして活躍しつつもアニメーターを目指す「水崎ツバメ」
の3人が物語の中心となって話が進んでいく。
浅草みどりは、アニメ(制作)に対して情熱も熱い思いも、こだわりも有り車に例えるとエンジン。
水崎ツバメも、アニメの「動き」について強いこだわりがあり、ボディの役割を果たしていると思う。
しかし、物語を動かし、進めていく力を持っているのは実は金森さやかで間違いない。
物語中で、浅草氏や金森氏の発言に「まったく想像できません・・・」と言っていたので、アニメ的なセンスでは「想像力」に欠けるのかもしれないが、リアルで先を見越す「想像力・センス」間違いなくもっているキャラだと思う。
私は金森さやか氏を気に入ってしまった。
アニメにあまり興味がないのに、浅草氏と行動を共にしているのは、ウマが合うのはもちろん、浅草氏に関心があると同時に、私的には実は恩義というか義理を感じているのではないかな、と想像する。
また、よく「お金、お金」といった表現があるが、これは守銭奴的、銭ゲバ的な発言ではなく「お金」の大切さ(力)を知っている上での発言だと思う。
そして「時間」についても、消費、消耗していくものであるという感覚を持っているように見える。
結果、非常に高いマネジメント能力を持っている、ものの言い方はちょっと過激な点もあるが、メリハリをつけて物事を進めていく様子、ケツのたたき方、度胸、浅草氏水崎氏の意見も聞く耳を持っている、問題・トラブルの解決能力、頼りがい、クセはあるものの物(者)を動かす高い能力を備えていると思う。
時代的には少し前のリーダー像かもしれないけど・・・。
物語を見ながら、最終的には「いい女」に見えてきたもん。
(フェミの皆さん、引っかかるかきかただったら申し訳ない、悪意はないんです)
牛乳がぶのみ、コロッケバカ食いもキャラ付けとして面白い、
この辺のバックボーン的エピソードがあったらよかったなぁ。
あとOP。
よくもまぁ、こんなサイケデリックなOPを作ったものだわ。
これもクセはあるものの、なんだろう私的には「チャレンジする姿勢、闘う姿勢」を感じてしまった。
どこに・・・?って言われてしまうと困ってしまうが、そう感じてしまったので仕方がない。
EDも丁寧な創りで、OPとは違い静かな感じだが、バックに流れる絵の情報量の多さときたら、さすが某NHK金持ってんなぁ、なんてw
アニメ好きで、アニメーターや裏の制作者にまで興味がある方なら、観る価値はあると思いますし、楽しめると思います。
制作者が個人レベルでどこまでこだわっているか、なんてマインドを
浅草氏、水崎氏が語ってくれます。
ほんと、作品を良くしようとするクリエイターのこだわりには敬意を表したいと思います。
そして、一言、
こういう多くのクリエイターの夢を一瞬にして失わせたあの事件、
絶対に許されてはいけない、あってはいけない事件です。
最後に、私的にはこの「映像研には手を出すな!」で描かれた良い作品を作ろうと足掻くクリエイターの姿が、
「昔のアニメ制作者って、こうだったんだよ・・・」
ではなく、
「アニメ制作者は、今も昔も、こういう姿勢で作品を作ってんだ!!」って言う世の中であればいいなぁ、と切に願います。