Moca さんの感想・評価
1.0
物語 : 1.0
作画 : 1.0
声優 : 1.0
音楽 : 1.0
キャラ : 1.0
状態:----
ここまで主人公が嫌いになるラブコメも珍しい
対した取り柄もない平凡な主人公が学校のマドンナである美咲に憧れていて、実は密かに美咲も主人公に好意がある。まあ、ここまでは許せる。相手に気持ちないと話始まんないし。ただ、この手の主人公にヒロインが惹かれる要因はほぼ100%主人公の性格面であるだろう。例えば底抜けに優しすぎるとか、普段頼りないけどブレない芯があっていざと言う時は本領を発揮するとか。大体名作ラブコメの主人公には平凡さを補って余りある「何か」を必ず持っているように思う。しかし、この作品では全くそれが無い。美咲は彼の「優しさ」に惹かれたなんて描写もあるがとんでもない。相手の気持ちを推し量る事も出来ず周りに助けて貰っている事にすら気づかない上、無自覚にヒロインも友人も傷つけている。鈍感系のマイナス面を抽出して作り上げたのではないだろうかとまで思えるその様は、とてつもない不快感を催す。主人公根島由佳吏は、設定、ヒロインの可愛さ、友人、声優の素晴らしさを完全に帳消しにする作品の癌と言っても全然過言では無いだろう。極めつけは最終話。婚約者である莉々菜に無理を言ってまで協力をしてもらっていたにも関わらず、遂に彼女にまで好意を持ってしまう始末。最終話までは大抵の事は目を瞑って視聴していたが、この展開には流石に「は?」と声をだして言ってしまった。今までのどんなに不快な行動も、美咲を思うが故と考えて全て飲み込んで視聴してきた。が、この前提が崩れてしまったことで、今まで堪えてきた何かが、洪水の様になだれ込んでくるような感覚に襲われるのである。それは言うまでもなく主人公への嫌悪(途中でかなり漏れ出ていたのは内緒)。僕は最早どうしても根島由佳吏が存在するハッピーエンドが想像出来ない。彼が今後、通り魔に刺されるか不治の病にかかるかして物語からフェードアウトする事を切実に願うばかりである。