TaXSe33187 さんの感想・評価
3.2
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
後続作品のアニメ化がないことだけを願う
web版を読了済み
悪役令嬢に転生した主人公が破滅を回避するために頑張るギャグコメディ
アニメ的には書籍の追加要素を踏まえつつweb最終話までが1クールに纏まっている
2クール以降は書籍の書き下ろしって形になるみたいだし、シナリオの進行スピードもちょうどいい感じ
根本的な部分
{netabare}この作品の原作(web版)は全部で50話に満たないということがプラスに働いたと思う
「小説家になろう」の連載作品は話数が続けば100話を超えるのは当たり前、という世界
これまでにアニメ化された作品は基本的に100話を超え、長いものなら500話にもなるものすらある
そうなると「分かりやすい悪者を倒す」「当座の目標を達成する」などで細かい区切りのある作品でもないとアニメ脚本として纏まりがなくなってしまう
例えば「異世界はスマートフォンとともに」の場合ヒロインを揃えるだけで150話を超えて、ボスを倒すとなると450話にもなる
そうなると物語上の分かりやすい区切りをつけることすら1クールアニメでは無理が生じてしまう
「私、能力は平均値でって言ったよね!」は冒険を始める準備で100話近く、以降は連載は450を超えた現状でもあまり大きな動きはない
その割に前半の「転生~国外逃亡~養成学校入学」の流れはそれなりのテンポで進む(それでも40話近いけど)からやはり纏めづらい
「賢者の孫」はアニメ最終話の内容で49話、ボスを倒して第1部を終えるのに156話とやはり長い
オマケにアニメでは原作を改変して無理やりボス格を最終話に絡めたものの、
本来あの最終話は雑魚魔人を主人公一味がただ倒して拍子抜けするだけの内容だった
これは長いのが悪とか原作が悪いとかって話ではなくて、物理的に1クールアニメに収めるのは至難だろうという話
それらと比較すると、web完結の大団円までが50話以内に収まっているのだから構成が楽だったのだと思う
原作が単純に面白いというだけでなく、根本的にアニメに向いた作品を選んでアニメ化するのはやっぱり大事かなと{/netabare}
アニメの中身について
{netabare}主人公が明確な目的を持って行動していること
転生前の人生や友人、家族関係への未練を持っていること
人当たりがよく、その上でギャグとして突飛な行動にでること
こういう要素のおかげで「なろう系」によくある主人公への不快感が薄まっているのは大きなポイントだと思う
特に「転生した!過去とか覚えてるけど常識忘れて好き勝手するぜ!」がないのは大きな違い
出てくる人物みんなチョロかったり、最終的に主人公礼賛の世界になっていたりというキツい部分もある
ただ、「すごい人だから全肯定したい」ではなくて「変わった人だから見守りたい」という目線で描いているから抵抗も薄い
駄目な子を周囲が愛でるという展開と、友人たちが乙女ゲームの主要キャラということが、周囲に明確な特徴付を生んでいるのもプラス
叩かれるタイプのなろう系によくある「主人公一人でいいじゃねえか」という問題が起きる要素がないのは乙女ゲー転生のメリットかも{/netabare}
気になったのは蒼井翔太の声くらいかな?
上手い下手とかを別に、あのビジュアルの面々のなかで一人だけ声が高いのがどうしても気になる
ほかが落ち着いた声なので、幼い子が無理に大人ぶったような喋り方をしたような印象になってしまう
まあその辺を抜きにすれば十分に面白かったと思う
これを筆頭に悪役令嬢モノって結構あるけど、やっぱり異世界転生モノやVRモノと同じような粗製乱造にあふれているのが現状
そうなると必然的にアニメした際のクオリティにも影響が出るわけで、これが人気になったとしても二匹目のドジョウ狙いはやめてほしいかな…