RFC さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
いいエンディング 敵味方強烈個性の織り成すダークファンタジー
こっちの方が原作準拠ということで、視聴開始。
原作は相変わらず未読。
後半アニオリとなった2003年版も十分楽しめましたので、
こちらも期待大です。
【作品概要】
錬金術が存在する世界の物語。
父が錬金術師だったことから、幼いころから独学で錬金術学んできた
エルリック兄弟(兄エドワード、弟アルフォンス)
母を若くして亡くした悲しみから、
兄弟は錬金術で母をよみがえらせようとします。
ところが錬金術は失敗し、アルフォンスは体のすべてを
エドワードは片足、片腕を失います。
兄弟は失った体を取り戻す方法を探すため、
軍に入り、巨大な渦に飲み込まれていきます。
【作品に対する感想】
中盤~2003年版と話が変わっていき、別作品として十分に楽しめました。
作品の雰囲気は2003年版と比べてちょっと軽くなった気がします。
と言いつつもやっぱりダークファンタジー。
流血や残酷な表現は遠慮なしです。
ただ、無駄に残酷というわけでなく、必要な描写というのが
作品の魅力を押し上げてくれてます。
あと、主人公層が少年から青年に成長していく過程を描きつつ、
取り巻く大人(若年層から壮年まで)が
強烈な個性を放っていて世界観が説得力あるものになっている
ように思えます。
1)物語
おそらく原作全てを映像化すると4クールでも無理と判断したのでしょう。
2003年版で詳細に描かれてた序盤の話は結構すっ飛ばされます。
しかし途中でそれに絡んだキャラが普通に出てきたりするので、
出来れば2003年版を視聴してからこっちを視聴した方がいいですね。
また、物語のスケールがかなり大きくなっており
他国や他文化からの視点も加わって、物語の深みは増しています。
ダークファンタジーという雰囲気は前のほうが好みでした。
しかしこちらはエンディングまで綺麗に着地しており、
納得できる終わりだったと思います。
ちょっと気になったのは次回の予告映像のチョイス。
意図的にミスリードを誘っているように感じました。
2)作画
不死の軍団気持ち悪すぎます。
4)音楽
SEが軽いです。
作品の雰囲気に合わせてもうちょっと重めでもいいかなと
思いました。
5)キャラ
前作で書いたキャラはほぼ割愛します。(長くなるので)
➀ウィンリィ・ロックベル
2003年版ではヒロイン枠でありながら、あまりそういう描写が
なかった気がしますが、今作は割とはっきり描かれてます。
(満足!)
あと技術屋女子、いいですね。
➁ヴァン・ホーエンハイム
かなり存在感が増してます。
情にもろい一面が垣間見え、人間味が増して好感持てました。
➂リザ・ホークアイ
この娘無茶苦茶好きです。
もしかしたら自分にはジト目属性もあるんではないかと
新たな発見もさせてもらいました。
{netabare}途中、来週死ぬんじゃないかという予告がありましたが、
ほんとに死亡してたら途中で視聴挫折してたかもしれないくらい
好感触な娘でした。
{/netabare}
➃キング・ブラッドレイ
組織のトップとしては、ある意味正しいと思われるおっさん。
目的のため小を切り捨て、大をとる。淡々とこれを繰り返してます。
類いまれなカリスマを伴い、非常ともとれる判断・指示にも拘らず
多くの共感者を得て独裁組織を作り上げてました。
尤も幹部に無能が多かったのは、本当の意味で強固な
組織づくりは出来ないタイプだったのかもしれません。
それがお父様の目的のためなのか、
彼の組織づくりの才能の限界なのかは分かりませんが。
➃オリヴィエ・ミラ・アームストロング
氷の女と言われてますが、コントロールしてるだけでちゃんと
情も人間味もありますよね。的確な判断力で「自分にないものは
他者をうまく利用する」。人を育て組織を作り上げる能力も
非常に高い傑物だと思います。
絶対不利な状況でも状況を上手く把握し、逆転の一手を放つ
世渡り面でも素晴らしい。
➄キンブリー
絶対許容できる人格ではないですが、
自分のポリシーを絶対曲げないという1点では
ある種凄いと思える人物。
6)印象深いシーン
{netabare}
➀北国の細かい描写
ピアスの凍傷の話とか、ホワイトアウトの話とか
オートメイルの油の話とか、こういう細かいこだわりが
物語の説得力を上げていると思います。
➀ランファン覚悟の逃走
あまりの予想外の結末に、敬意を抱きました。
ブラッドレイをも感服させた、その覚悟に敬礼。
➁マスタング憎悪に駆られ、連続焼却
普段飄々としているマスタングが、憎悪に支配された表情を
隠そうとしてもないのがいいです。
彼の立場だったら私でもああするでしょうね。
でも彼の周りには止めてくれる人がいました。
上官に銃口向けてでも止めたホークアイに惚れ直しです。
もうこの二人頼むから結婚してくれ(笑
➂対話が決め手となった賢者の石
人間を道具として扱ったお父様と
人間を人格として接したホーエンハイム。
ファンタジーで対話がキーになる作品って結構珍しいかなと。
➃プロポーズ
二人とも「らしくて」拍手喝采です。
こんなプロポーズする人エド以外にいないですよ。
OnlyOneです。
エドのその辺分かった上で、
さらに上いったウィンリィが愛しすぎます。
{/netabare}