「天元突破グレンラガン(TVアニメ動画)」

総合得点
90.2
感想・評価
4260
棚に入れた
19997
ランキング
60
★★★★★ 4.1 (4260)
物語
4.2
作画
4.0
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.3

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

後悔など、とうの昔に済ませたよ

今更見ました。とてもいい作品でした。
色々テーマがとっちらかってて困惑してたのですが、日曜朝のキッズ枠だったんですね。まず子供が見て楽しめる作品にする事が最優先で、その中に散りばめたGAINAXらしさが大人も楽しめる懐の広い作風になったのだと納得しました。

物語を深く読み込めない子供でもカッコいいカミナや大人っぽいヨーコの魅力に夢中になり、識別しやすく強いロボが大活躍する超展開に次ぐ超展開のアツくて爽快なロボットアニメを存分に堪能出来る作品だと思います。第1話の掴みは本当に素晴らしい。3部の政治劇は退屈でしょうけど。

大人が見れば村長や司祭、ロシウの責任の重さに同情します。SuperDriverに見えたカミナはただのトリガー、ヨーコは代えの効く脇役、シモンもカミナの代理。獣人の出世物語も。アツいロボットアクションに紛れてSF見せたかった作品。

嘘パースバリバリの見栄とリズミカルな啖呵を切りまくる画面映えが絶品なカミナ。もっともらしい事を言うばかりで1人では何も出来ず、下の者に頼りっぱなし。発掘した形勢逆転アイテムのラガンでさえシモンに託す始末。シモンからみたカミナ、鉄血オルガからみた名瀬のようにメンター不在なのであの立ち位置では成長が見込めない。勝ち進む程に強化される自我は周囲との摩擦を産む事は想像に難くなく、生存していれば大グレン団は組織としての存続は困難であっただろう。「あの背中に負けない男になる」とは言うものの自我を通す事しか知らないカミナ。あのタイミングでの退場で無ければ美化されてなかったと思う。

誰かの風下に居続ける限り成長は出来ない。団長の腰巾着として身分不相応なポジションにいたシモン。庇護が無くなり見限られ始めた彼がニアの承認を得て立ち直ることで誰かを頼る勇気の必要性が説かれる。カミナの拡張自我の道具でしかなかったシモンが先陣を切る姿はカミナそのもの。シモンは結局終戦までカミナの真似事に終始する。それでも道を見失うロシウに対しカミナイズムを体現する姿は胸熱であった。

ロシウは1番好きなキャラ。激アツロボットアニメには不要だがスタッフがやりたい事をやるためのキャラ。あの展開あってこそ本作が名作となる。前半だけの作風が続くだけだとただアツいだけの作品。ラスト2話のないエヴァの様。面白いロボアニメ、でしかなかったと思う。SF好きには鉄板ネタばかりだがキッズ作品でやる事に意義がある。整合性を取る必要性がない作風なので好きなテーマをやり放題。

ヴィラルは至極真っ当なライバルキャラで人気ありそう。1兵士から政府の重要ポジションに登り詰めた出世王。声いいですね。獣人設定はもう少し活かして欲しかった。


カミナの薄っぺらいチンピラ造形は結構なリアリティ。「俺を誰だと思っている」って言うのって中学生のヤンキーか、そのまま大きくなったチンピラくらい。チンピラ界隈はアラフォーでもあのまま。永遠のカミナ。自分がトップの小さい集団に引きこもるので成長しない。だから絆とか仲間とか大好き。ワンピース大好き。仲間思いだと信じ込んでるからタチが悪い。まあカミナはまだ17歳だからいいんだけど。

タイトルは1番好きなセリフ。シビレました。

あとロシウが村に死に場所を求めた回の司祭との2人の会話はたまらないですね。あのネタ大好きです。

「俺を誰だと…誰でもないか」

誰かになってしまった時にどうなるか、
それが第1話の冒頭に描かれているとは…
参りました。

投稿 : 2020/07/04
閲覧 : 411

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