ゲリオ さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
パワフルな大人の女性が主人公
ひょんなことからラジオパーソナリティーにスカウトされた一人の女性の奮闘を描く物語。
すごく好みの作風でしたが、中盤「ん?」ってお話もあってストーリーはそこそこな評価に。
でも、大人向けアニメとして需要は大いにあったと思います。
もはや作品の出来や面白さの指標にならない円盤の売り上げは抜きにして。
まず映像化するならアニメじゃなくて実写で良いのではなかったかって点だけど、たしかにそんな気もしますが実写ドラマでラジオパーソナリティの演技するのって相当難しいのではないかと思います。
いや、同様にアニメでも難しいはずですが、そういった意味では主人公役の声優さんが頑張りました。
杉山里穂さん。全然知らない方だったけどとても無名の声優さんとは思えないパワフルで堂々とした熱演ぶりでした。
そんで普段ドラマは見ないので、こういう大人向けの漫画をアニメーションで映像化してくれるのは個人的には大歓迎。今後もこれ系のアニメ増えてほしいです。
本作で良かった点はキャラが生き生きと描かれていたことでしょうか。
特に主人公の胡田ミナレを中心とした女性たち。最近は賛否両論のフェミニズムが騒がれていますが、本作のキャラクターの生き様こそが本来見習うべき強き女性像だと感じました。
ジメジメTwitterで男性への文句書いてる人たちは見習ってほしいものです。
恨むべき男が居たら正々堂々フランケンシュタイナーかませや~!
ちなみに自分的にはあまり強い女性は苦手なんで、優しそうな瑞穂ちゃんの方が好みです…w
逆に悪かった点はやはり1クールという尺の短さ。
ラジオパーソナリティーとしての人生はまだ始まったばかりのところでアニメが終了してしまうのはやや物足りなさが残りました。
他キャラに関してもミステリアスな女性として登場した城華マキエとか、最初何か不穏なことを企んでるかと思ったけど、普通に善い人ということが判明し、ラジオ業界にも絡んでくる伏線を披露したことで、彼女が今後作中でどんな役割を担うのか気になりすぎる。中原クンとの今後とかも含めて。
続きが知りたい人は原作を買えってことですかね??
もうひとつ。最初に中盤に「ん?」という展開があったと書きましたが、該当するのは7~8話の天井の死体騒動の話。
現代社会で働く女性を描いたリアルな物語のはずなのにこの回だけ妙に非現実的すぎる気がしたのは自分だけでしょうか?
普通だったらバラバラ死体を発見して、しかも腐った体液を顔面に塗りたくったとしたら正気を保てるはずがないでしょう。結果的には勘違いだったものの、あの時点では確かに人間の死体と思い込んでたので。
そもそもラジオの企画でやることじゃないし、アパートの管理人や警察じゃなくマイナーなラジオ番組にファックスする住人も狂ってる。たとえ正気でないとしても絶対にありえない行動でしょう。
つか、この話自体少なくともアニメ内の話ではストーリー的に不要な回だったので、原作にある回だったとしてもカットして問題なかったのでは?
あとは当初からミナレの宿敵として話題に上がった元カレのミツオ。
正真正銘のクソ野郎だったけど、現実問題として世の中でああいう男が一番女にモテる気がする。(cv浪川というのは絶妙なハマり役)
女と金にダラしない畜生でも乙女心をくすぐる話術さえあれば何とでもなる。
このあいだワイドショーで話題になった某グルメお笑い芸人も同じ人種だけど。
逆に無駄遣いもせず、すき家やで質素にチーズ牛丼食べる我々のような男性は一切振り向かれない。嗚呼、世の中は無常なり。
話がそれたのでアニメのレビューをまとめると、まぁ原作の販促アニメだったよねって感じ。
これは必ずしも悪い意味ではないが、今作のストーリーはとても1クールで完結できるような内容ではありませんでした。
アニメーションとしてはキャラの表情など力強く描写できてたしさすがサンライズ制作。(みんな言ってた眼球の影に関しては確かに微妙だったがそれ以外は秀逸)
アフタヌーン作品って何気に昔からアニメに力入れてる気がします。ヤンジャンアニメとは対照的に。
なかなか興味深いストーリーだったし続きが気になるものの、原作はまだまだ続いてるみたいなので、ある程度したら単行本をまとめ読みしたいですね。そのころに本作の存在を忘れていなければ、でありますが。