STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえず簡単な感想
原作は未読。
全体的な雰囲気はやや暗めだが、主要キャラの悩みや葛藤を主題にした作品内容、あるいは
バブル崩壊後の時代の空気などによく合致した印象。
内容的には恋愛や進路などに悩む若い男女4人の青春群像劇といったところで、この中心となる
キャラの心情描写がなかなか良い。
このキャラ描写に関してはダメなところ、めんどくさいところなど、負の部分の方が色濃く
写るが、これがやけに生々しく、リアリティを感じる。
もっともカラスを連れ歩く女の子がリアリティあるか?と言うと答えに詰まるところだけどw。
ネガティブ描写多めの主要キャラの中では比較的高感度高めな感があったのが野中 晴だが、
彼女にしたって可愛らしく明るく描かれて、彼女の思いが向けられた魚住 陸生も決して
嫌がってはいないこともあって健気で一途な印象があるが、やっていることはストーカー一歩手前
みたいなところがあるわけで。
この4人のキャストがいずれもキャラをリアリティのあるものにしていた感があった。
原作未読でも色々な部分が削られているのが判るような構成で、いきなり時間が飛んでしまう
時はいさささ違和感があった。
激しく話が動くような内容ではないのでストーリー自体は追えるが、キャラの心情の細やかな
変化を追っていくような作品の場合、他愛ないことの積み重ねが心情変化に説得力を持たせたり
するので、そういう意味ではもっと話数が欲しかったところ。
終盤で陸生と森ノ目 榀子が付き合うようになり、この状態で「晴や早川 浪に対する
残務処理?的なことをやって終わるのかな?」と思っていたら、最終話で二人が別れて、陸生と
晴がくっつくという展開。
あくまで個人的好みの話だが、3人以上が絡む恋愛模様が描かれる作品の場合、作品内で妥当と
思われそうな組み合わせで終わらない結末の作品が好きだったりします。
で、年齢的に近い、主人公である陸生が以前から榀子に恋をしていた、年上に対する熱い思いは
一時的な感情の昂りで終わる他作品が多かったりする、などから本作で妥当な組み合わせは陸生と
榀子という印象があったので、この結果は個人的には面白い結末でした。
逆に陸生と晴の出会いがもっと強調され、陸生が榀子に対する思いは秘めたまま、晴に押され
続けるような作品だったら、陸生と晴がくっつかない結末を面白がったりしそう。
2020/07/01